2022 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブ保育技術の視覚化 -重症心身障害児との関わり合いを促す新たな試み-
Project/Area Number |
20K02640
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Research Institution | Ohka Gakuen University |
Principal Investigator |
小柳津 和博 桜花学園大学, 保育学部, 准教授 (60803707)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インクルーシブ保育 / 重症心身障害児 / 関わり合い |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題について、2022年度は論文3本、学会発表3本の成果を発表することができた。 成果①(論文):小柳津和博・野々山貴(2022.11)インクルーシブ保育における子ども同士の関わり合いを促す保育者の専門性-重症心身障害児を含む集団に着目した質的研究-.リハビリテイション心理学研究,48(1),51-63. 本論文は、インクルーシブ保育における子ども同士の関わり合いに必要な保育者の専門性として保育場面の質的分析により、8項目の説明概念、4種類の構成概念を抽出した。 成果②(論文):小柳津和博(2023.3)重症心身障害児を含むインクルーシブ保育の専門性-子ども同士の関わり合いを促す活動内容・参加方法に関する保育者の創造力-.教科開発学論集,11,1-9. 本論文は、保育者を対象とした調査を質的分析した結果、活動内容・参加方法として6つの共通概念を抽出した。 成果③(論文):小柳津和博(2023.3)重症心身障害児を含む集団での子どもの育ち―インクルーシブ保育として共に育つ視点を考える―.桜花学園大学保育学部研究紀要,27,15-22. 本論文は、文献調査から障害児・周囲の児の両者に分かる内容に修正することで共に育つことが可能になることを報告した。 成果④(学会ポスター発表A)小柳津・他1名(2022.5)重症心身障害児との関わり合いを促すインクルーシブ保育自己評価項目の提案.第75回日本保育学会. (学会ポスター発表B)小柳津・他1名(2022.9)重症心身障害児を含むインクルーシブ保育の専門性-子ども同士の関わり合いを促す自己評価項目の検討-.日本特殊教育学会第60回大会. (学会自主シンポジウム):小柳津・他4名(2022.9)特別な配慮を必要とする学生の修学支援の現状と課題(4)-合理的配慮に該当しない多様な学生の支援を考える-.日本特殊教育学会第60回大会.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画より、やや遅れている。主な理由は、感染症の世界的流行により、海外渡航しての調査を実施できなかったことが影響している。研究計画では2020年度、2021年度にかけて米国、英国、タイへ渡航して現地調査を行う計画であったが、海外での調査が実施できていない状況にある。 2022年度は国内での調査を中心に研究を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を一部変更する。本研究課題は2020年度~2023年度の3年間の研究計画であったが、1年間の補助事業期間延長を申請し、4年間の研究とした。 本研究課題では、国内での調査を中心とする計画として進めることとしたい。国内の保育士を対象に大規模な調査を実施し、現在分析を進めている。今後は分析結果を基に保育者の専門性として自己評価項目になりうる重要項目の抽出を進めたい。海外の調査については、文献を中心とした研究とすることにしたい。
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Causes of Carryover |
感染症の拡大により海外へ渡航しての現地調査ができなかったため研究の進行が遅れた。研究計画を一部変更して、国内の調査を中心に行う計画で進めているため、次年度使用金額が生じている。 2022年度から現職保育者を対象とした大規模なアンケート調査の実施を進めている。今後も引き続き調査を実施するため、旅費や郵送費、物品費として次年度使用額を用いたい。特にデータ分析を行うためのソフト購入を進めたい。また、社会状況が整う場合は海外渡航しての現地調査も一部視野に入れて検討したい。
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Research Products
(6 results)