2020 Fiscal Year Research-status Report
Create of allergy-free foam millet foods using guar foaming albumin
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20K02641
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
下山 亜美 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (40461967)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食素材 / 卵白アレルギー / 雑穀粉 / 起泡性 / 泡沫安定性 / グアーミール / タンパク質機能 / 未利用資源の有効利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新規グルテンフリーの食素材であるGFAと雑穀粉を用いて、食物アレルギー児(以下FA児)でも安心して食べられるおやつの開発を目的として検討を行った。グアーミール(種皮・胚芽部)から単離された起泡性タンパク質であるGFA(guar foaming albumin)は、高い起泡性と泡沫安定性を併せ持つ単純タンパク質である。また卵白・小麦アレルギー患者の抗血清に対しても交差を示さず、安全性の高い食品である。この植物由来のGFAの機能特性に着目し、主要な食物アレルゲンである卵白に替わり得る食素材としての利用法の検討を行う。さらに小麦粉の代替素材として、ミネラルや食物繊維を豊富に含む雑穀粉を用いることで、FA児に不足しがちな栄養面に配慮した食品の開発を試みる。 予備実験としてGFAと小麦粉を用い、エンゼルケーキを調製した。GFAのタンパク質濃度が低い時は、卵白を上回る体積増加率が見られたが、タンパク質濃度が30㎎/ml以上のGFAを使用した時は、体積がそれまでの半分に減少し、ふんわり感は見られず、断面の崩れが著しかった。これは、高濃度の砂糖添加によりGFAの起泡性が減少したためと考えられる。GFAを用いて焼成メレンゲを試作した場合と同様、GFAは砂糖を少量加えることで比容積が増加したが、砂糖の添加量が増えるほど焼成後の泡沫体積は減少した。GFAと卵白(1:1)の混合試料では、低濃度の砂糖を添加した場合、その影響がプラスに働いたが、濃度が高くなる程、泡沫体積は減少した。泡沫の層状構造を形成するGFAや卵白タンパク質は、ショ糖により保護され、変性を受けにくい状態にあると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の実験計画は、雑穀粉を用い、エンゼルケーキの調製方法を検討することであった。焼成前のバッターおよび焼成後のケーキの比容積、体積増加率やテクスチャーなどを比較するとともに、GFAの機能特性についても測定する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の予防および拡大防止対策への対応のため、実験を行うことが困難であったため、大幅に遅れていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度に実施予定であった雑穀粉を用いた洋菓子の調製を検討する。
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Causes of Carryover |
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の予防および拡大防止対策への対応のため、実験を行うことが困難であったため、今年度に当初計画していた実験を実施する予定である。
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