2023 Fiscal Year Research-status Report
Create of allergy-free foam millet foods using guar foaming albumin
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20K02641
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
下山 亜美 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (40461967)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新規食素材 / 未利用資源の有効利用 / 鶏卵アレルギー / 起泡性・泡沫安定性 / タンパク質の機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規グルテンフリーの食素材として利用可能なグアーミールから抽出した起泡性タンパク質と雑穀粉を用いて、鶏卵や小麦アレルギーの方でも食べられるおやつの開発を目的として本研究を行っている。グアーミール(種皮・胚芽部)から単離された新規タンパク質のGFA(guar foaming albumin)は、高い起泡性と泡沫安定性を併せ持つ単純タンパク質である。また卵白・小麦アレルギー患者の抗血清に対しても交差を示さず、安全性の高い食品である。この植物由来のGFAの機能特性に着目し、主要な食物アレルゲンである卵白に替わり得る食素材としての利用法を検討する。さらに小麦粉の代替素材として、ミネラルや食物繊維を豊富に含む雑穀粉を用いることで、鶏卵および小麦アレルギーの方に不足しがちな栄養面に配慮した食品の開発を試みる。 GFAを用いてエンゼルケーキを調製した結果、低タンパク質濃度では卵白を用いた時よりもGFAを用いた方が体積増加率は高かった。しかしタンパク質濃度が高くなると、逆に体積の減少がみられた。砂糖の添加量が増すと泡の安定性は保持されるが、泡立ち性は減少する。泡沫の層状構造を形成するGFAや卵白タンパク質は、砂糖により保護され変性を受けにくい状態にあると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画は、GFAを中心として雑穀粉などを用いたエンゼルケーキ等の洋菓子類の調製方法を検討することであったが、キハダとGFAを関連させ活用できる方法を視野に入れて検討している。また焼成前のバッターおよび焼成後のケーキの比容積、体積増加率やテクスチャーなどを比較するとともに、GFAの機能特性についても測定する計画であるが、昨年に引き続き、実験環境を整えることが非常に困難であったため大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していたホワイトソルガム粉等の雑穀粉やキハダを用いてエンゼルケーキ等の調製を行う。焼成前バッターおよび焼成後のケーキの比容積、体積増加率、テクスチャー、外観を比較する。またGFAとキハダの機能特性(泡沫安定性、ゲル化性、粘性)について詳細に測定すると同時に、食品に利用した場合を考えて、他の食素材(砂糖、塩、小麦粉など)の共存、加熱による特性の変化について測定する。
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Causes of Carryover |
環境整備を図り、当初計画していた実験を実施する予定である。
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