2022 Fiscal Year Research-status Report
遊びの豊穣化と想像力の育成に資する幼児・児童版シアターゲームの開発
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20K02645
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
保坂 和貴 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (60624153)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シアターゲーム / インプロ / スポンタネイティ / スポーリン / 子ども / 想像力 / ごっこ遊び |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、幼児期・児童期の子どもの遊びを想像力・創造力豊かで充実したものとするため、ヴァイオラ・スポーリン(Viola Spolin)の思想・哲学を基盤とした日本版シアターゲームプログラムを開発する。 即興演劇である「インプロ」が、サイエンス・コミュニケーションや学校教育、あるいは企業研修などさまざまな領域に応用されている。「インプロ」は、「キース・ジョンストン」、シカゴの「即興劇団セカンドシティ」など、それぞれに異なる思想や方法論が混じり合い、現在の潮流が形作られている。本研究は、その源流の1人であるスポーリンのゲームの体系と思想・哲学に焦点をあてることによって、「インプロ」のさらなる応用可能性を引き出すことを意図している。スポーリンに由来するゲームは、言葉に多くを依存せずに身体的なかかわりあいを通して表現を作り上げていく特徴があり、幼児期・児童期の子どもが遊びを展開するにあたり、現在流布する「インプロ」のゲームの中でも、より効果的に働くものであることが考えられる。 2022年度も新型コロナウィルス感染症の流行にともない、ゲームの実践を中止せざるを得なかった。そのため、研究期間の延長を視野に入れ、理論的枠組みおよびデータ分析のための枠組みの整備、および新規の研究協力機関の開拓を実施した。 理論・データ分析の枠組みの整理として、幼児の自由遊び場面をスポーリンの枠組みから分析した。その結果、「ひらめき」がもたらされるのは、遊びに参加する子どもが新たな情報を提供することによってではなく、互いの行為をフォローすること、すなわち一緒に遊ぶ相手の行為を真似たり、相手の行為に応答したりすることから生じることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
シアターゲーム・プログラムが、子どもにどのような影響や変化をもたらすのかを評価するためには、各種ゲームの実践が不可欠である。しかし、シアターゲームは、身体相互の接触や対面状況を含むものが大部分である。それゆえ、新型コロナウィルス感染症と相性が悪く、ゲームの実施やデータ収集を実施することが困難となった。 2022年度は、とくに幼児・児童の保育・教育機関へと感染症の流行が拡大したために、プログラムを実施することができなかった。文献研究については、現在流布している「インプロ」に流れ込む思想や方法論など理論的側面について整理することができたが、研究の根幹をなすシアターゲームの実施と分析・評価、それに基づく幼児・児童版シアター・ゲームプログラムの開発・パッケージ化が進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度、新型コロナウィルスの5類感染症移行によって、子どもの保育・教育現場における身体を通した関わりあいが可能になることが予測される。そのため、研究機関を1年延長して、これまで中断していたシアターゲームプログラムの実践を実施し、データ収集・分析・評価を行い、プログラム作成を重点的に進める年度として位置付ける。昨年度、新規に研究協力施設を開拓することができたため、以下3つのデータの収集と分析にあたる。 (1)幼児教育施設(保育所)におけるシアターゲームの実践と評価:①保育者を対象としたシアターゲームの実践、②子どもを対象としたシアターゲームの実践、の2段階でデータ収集・評価を行う。 (2)児童教育施設におけるシアターゲーム・ワークショップの実践と評価:児童を対象とした教育施設でシアターゲーム・ワークショップを実施し、データを収集し分析・評価を行う。 (3)放課後児童クラブを対象としたシアターゲームの実践と評価:児童を対象としてワークショップを実施し、データ収集し分析・評価を行う。 以上のデータ分析・評価に基づいて、シアターゲームプログラムの選集・開発を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の再拡大・流行に伴い、予定していた研究協力先への旅費、学会発表、研究協力者への謝礼、および最終年度としての総括のための報告書作成を行うことができなかった。 研究機関延長に合わせて、上述の内容に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)