2022 Fiscal Year Research-status Report
発達リスク予防・低減のための保育者研修及び幼児対象心理教育の開発
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20K02649
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
砂上 史子 千葉大学, 教育学部, 教授 (60333704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福丸 由佳 白梅学園大学, 子ども学部, 教授 (10334567)
野坂 祐子 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (20379324)
實川 慎子 植草学園大学, 発達教育学部, 教授 (80619776)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 発達リスク / トラウマ / 保育者研修 / 心理教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、発達リスクの予防・低減のため「トラウマ・インフォームドケア(TIC)」等の心理教育に根差した保育実践の構想とその有効性の検証を目指し、保育者研修プログラムの開発・検証、幼児を対象にした情動知能向上のための心理教育の実施・検証を目的としている。 令和4年度は、「保育現場における『トラウマ』の影響が懸念される子どもに関わる対応、組織の在り方」に関する質問紙調査を実施した。具体的には、調査は約120園の保育所・幼稚園・認定こども園の5歳児クラス保育者を対象に実施した。質問紙調査では、「『トラウマ』の影響が懸念される子ども」として、「過去に事件・事故や災害等の非日常的で衝撃的な出来事を経験し、その影響がみられる子ども」と「虐待や不適切な養育等の困難な家庭環境による影響が懸念される子ども」について尋ねた。 その結果、「『トラウマ』となるような出来事や不適切な養育等による影響が懸念され、配慮が必要な子ども」がいると回答した保育者の割合、保育者が認識している子どもの特徴、子どもへの対応における園内の職員間の連携及び具体的な難しさ、園の組織づくり(運営)において意識している事柄、子どもの健やかな心身の発達に関わる実践等が明らかになった。 調査結果は、報告書としてまとめ、調査協力園に送付した。 この他の主な研究実績としては、トラウマ・インフォームドケアに関する文献の執筆、関連するテーマでの学会発表等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症対策に関わる保育現場の状況を踏まえ、質問紙調査の実施が1年遅れた。そのため、調査結果の分析等の作業にさらに時間を要することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に実施した質問紙調査について、研究者間で分析・討議を行い、その結果を学会発表や学会誌論文にて公表する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による保育現場の状況を踏まえ、質問紙調査の実施計画が1年遅れたことに伴い、本研究期間を1年延長したためである。
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