2023 Fiscal Year Annual Research Report
核実験が現代の子どもに与える影響:カザフスタン・セミパラチンスクを事例として
Project/Area Number |
20K02650
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平林 今日子 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (00634932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 健一 滋賀大学, データサイエンス教育研究センター, 教授 (30284219)
川野 徳幸 広島大学, 平和センター, 教授 (30304463)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子ども / 核実験 / 核被害者 / 被ばく / 放射線 / セミパラチンスク / カザフスタン |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度に引き続き、カザフスタン・セメイ(セミパラチンスク)にて現地調査を実施した。障がい・疾患のある子どもとその保護者4組と、障がいや疾患のない健康な子ども3名への聞き取り調査を行った。コロナ禍により、4年間の研究実施期間のうち、前半の2年は現地調査を実施することができなかったが、後半2年で障がい・疾患のある子どもとその保護者計8組及び健常児計5名への聞き取り調査を行うことができた。 疾患や障がいをもつ子どもとその保護者への聞き取りは、2009年からの合計で29組となった。積み重ねてきた聞き取り調査の全回答を対象にテキスト解析を行い、高出現頻度(30回以上)の単語をピックアップし、それらの単語を使用して共起ネットワーク分析を実施した。その結果から、①高出現頻度の単語は「子ども(子)」「病気」「病院」「ポリゴン(注)」「核実験・実験・核」「学校」「お金」等であること、②子どもの病気や障がいについて語られる際に、同時に核実験やその影響について語られている頻度が高いことが分かった。このことから、直接核実験を経験していない現代の子どもたちの疾患や障がいが、核実験との関連で語られる頻度が高いことが示されたと言える。この結果が直ちに疾患・障がいと核実験との因果関係を示すわけではないが、少なくとも子どもやその保護者がその関連性について多く言及している、つまり子どもたちの疾患や障がいが核実験由来であると認識していることを示唆したものである。これらの成果を9月に行われた第19回日本子ども学会学術集会にて報告した。 注:「ポリゴン」とは、元来は「多角形」の意味を示す単語だが、実験場の形状になぞらえて、核実験場及び核実験そのものを示す単語として用いられている。
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Research Products
(5 results)