2021 Fiscal Year Research-status Report
幼小接続期における情動調整の発達過程を踏まえたカリキュラム編成に関する基礎的研究
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20K02678
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森野 美央 長崎大学, 教育学部, 准教授 (00413659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椋木 香子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (00520230)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼小接続期 / 情動調整 / 接続カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度もコロナ禍となったが、比較的感染状況が落ち着いた頃を見計らい、縦断的関与観察を開始することができた。まず、2020年度に予備的観察を行った園へ観察方法について相談し、続いて年長児保護者へ調査依頼をした。その結果、44名から承諾を得た(辞退者なし)。観察は、年長児クラスの「お集まり場面」とし、ラポール形成をした上で開始した。予備的観察の際、子どもや保育者がマスクを着用した状態では、表情を十分に捉えることが難しいと分かったが、そのことに加え、個人の特定も困難であると分かったため、「お集まり」の前の好きな遊びの時間やお集まり後の時間のかかわりにも重きをおき、一人ひとりの特徴を掴めるようにした。観察開始後に感染症拡大防止を目的とする休園もあったが、長期に渡る観察中断には至らず、ある程度の定期性をもって観察を進めることができた。 視察調査に関して、コロナ禍における授業や出張に関する様々な行動制限により県外移動が困難であったことから、オンラインでのインタビュー調査に切り替えることにした。インタビュー調査は、幼小中一貫教育の立ち上げに尽力されたA先生を対象として、2回に分けて実施した。子どもの実態に関わる問題意識が出発点にあること、期限を決めずに取り組んだ管理職側の覚悟があったことが、継続的な取り組みおよび意識変革につながる重要な要素となっている可能性が伺え、本研究の今後に関わる示唆をいただくことができた。 観察調査とインタビュー調査をふまえ、調査園において、これまでのカリキュラムの見直しを実施した。また、見直しの結果を小学校と共有することも叶った。また、次年度は、それらをふまえ、園と小学校と大学の三者がかかわりながら、小学校カリキュラムの見直しを進めることになった。本研究が糸口となり、このような流れが生じたことは、大きな成果と言えるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で2020年度に見送った観察調査に着手でき、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度もコロナによる行動制限は続く模様であるが、2021年度のように、代替方法も取り入れながら本研究の目的達成に取り組む。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による行動制限で、視察調査や国内外学会への参加ができなかったため。対面での調査・学会参加と同等の効果が得られる方法・参加の在り方を引き続き模索し、そこで必要となった経費にあてる他、本来は必要であるが旅費への経費捻出を考えて支出を抑えていた物品費や人件費・謝金などの経費にあてる計画である。
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Remarks |
椎場奈穂子「幼小接続期における子育て支援-保護者の不安に焦点を当てて-」(長崎大学 教育学部2021年度卒業論文)(指導教員:森野美央)
谷口夢歩「幼小連携における教師の相互理解を促すプログラム開発」(宮崎大学大学院教育学研究科2021年度課題研究レポート)(指導教員:椋木香子)
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Research Products
(3 results)