2022 Fiscal Year Research-status Report
幼小接続期における情動調整の発達過程を踏まえたカリキュラム編成に関する基礎的研究
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20K02678
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
森野 美央 長崎大学, 教育学部, 准教授 (00413659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椋木 香子 宮崎大学, 教育学部, 教授 (00520230)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼小接続期 / 情動調整 / 接続カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、比較的感染状況が落ち着いた頃、園で縦断的関与観察を開始することができた。年長児保護者への調査依頼は前年度と同様の手続きで行った。その結果、全員から承諾を得た(辞退者なし)。観察は、年長児クラスの「お集まり場面」とし、ラポール形成をした上で開始した。マスク着用による個人の特定困難への対応として、可能な範囲で昼ご飯の時間にも観察に入り(関与なし観察)、一人ひとりの特徴を掴めるようにした。感染症拡大防止を目的とする休園やそれに伴う保育者の心身負担を考慮して観察を控えた日もあったが、前年度と同様に、ある程度の定期性をもって観察を進めることができた。 また、今回は前年度年長児の小学校進学後の観察も並行して実施した。これまで予備調査でお世話になってきた小学校ということもあり、入学式翌日からの観察許可をいただくことができ、早い段階からの関与観察着手が叶った。年度前半は月に複数回、年度後半は月1回のペースで授業場面の観察を進めることができた。 前年度のA先生へのインタビュー調査をふまえ、調査学校園において初の幼小接続管理職会議を開催した結果、幼小連絡会が事務連絡に終始している現状が課題視され、幼小連絡会拡大版を試みることになった。拡大版では、架け橋プログラムにおける現在のフェーズを確認した後、調査対象の1年生が年長時にどのような姿であったか、保育者は何を大事にかかわっていたか、そして1学期の1年生(卒園児)の観察でどのような姿がみられたか、教師はどのようにかかわっていたか、をもとに、子ども理解にかかわる担任同士の意見交換や今後の実践・カリキュラム作成につながる視点について共有することができた。 本研究が糸口となり、接続期の子ども理解や互いの保育・教育への理解が深まり、実践の見直しやその延長で接続カリキュラム作成に向かう意識の高まりが生じていることは、大きな成果と言えるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で2020年度に見送った観察調査に2021年度着手できた後、進捗状況は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
学内の行動制限は、今のところ全て撤廃となっていないが、これまでのように出張が困難な場合は代替方法も取り入れ、関与観察前の自身の行動も管理しつつ、本研究の目的達成に取り組む。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の行動制限によって、視察調査や国内外学会への参加が思うように叶わなかったことで旅費支出が少なくなり、次年度使用額が生じた。 視察調査と国内外学会への参加を次年度にし、旅費を使用する。ただし、現時点では全ての行動制限が撤廃されていないため、再び視察調査や国内外学会への参加が叶わない場合は、本研究の遂行に必要であるが、旅費への経費捻出を考えて支出を抑えた、物品費(観察調査で使用するモニターやカメラ等の付属品)及び研究補助者の人件費・謝金にあて、研究成果につなげる計画である。
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Research Products
(4 results)