2020 Fiscal Year Research-status Report
戦後改革期の保育運動に関する実証的研究:民主保育連盟による活動とその思想
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20K02685
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Research Institution | Chubu Gakuin University |
Principal Investigator |
平野 華織 中部学院大学, 教育学部, 准教授 (60454302)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 民主保育連盟 / 保育運動 / 保育史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦後改革期において「民主保育連盟」が行った各種の活動を取り上げ、機関誌『民主保育ニュース』や会員個人の著作物を手がかりとして、その保育運動が内包する歴史的特質の抽出、分析を試みるものである。その学術的な特色は、保育史において、研究の遅れが著しい戦後改革期の保育運動へと目を向け、同連盟の活動や主張の意義と限界を問うところにある。一年目の今年度は、まず、民主保育連盟の機関誌『民主保育ニュース』全21号と関連資料12点(松本園子編・解説『民主保育連盟資料』六花出版、2015年)を基盤としながら、その活動の全体状況を整理し、他誌への投稿状況なども調査する形で、同連盟の主張を押さえることを中心に分析を行った。先行研究においては、通史の一部分であったり、幅広い活動を展開した中のある部分だけが特化されているものであったりという状況で、民主保育連盟の歴史的意義を問うことは未だできていないことを把握した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一年目の計画は、民主保育連盟の機関誌『民主保育ニュース』全21号と関連資料12点(松本園子編・解説『民主保育連盟資料』六花出版、2015年)を基盤にしながら、その活動の全体状況を整理し、創立から終焉までの経緯や活動の展開を分析する計画であったが、資料収集及び内容の分析に若干の遅れが生じ始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
民主保育連盟が結成された1946(昭和21)年10月から、解散をした1952年(昭和27)年12月にかけて、同連盟や会員個人の名義で機関誌以外の雑誌に掲載された論稿を調査・収集する。戦後改革期の教育雑誌については、小熊伸一編『戦後日本教育関係雑誌目次集成(第Ⅰ期・全5巻)』(日本図書センター、2013年)を活用していく。収集した文献の分析を行うとともに、研究ノートなども作成し、関連学会における口頭発表へとつなげる。
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