2021 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the whole picture of childcare after the freeing childcare fee and Policy proposals for solving new childcare issues
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20K02690
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
前田 正子 甲南大学, マネジメント創造学部, 教授 (20596192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 道人 立教大学, 経済学部, 准教授 (10749162)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 保育所 / コロナ / 休園 / 夜間保育園 / 就業継続 / 職場状況 / 夫の家事育児分担 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も保育の全体状況を把握するため以下の調査を実施した。①保育団体の協力を得て、コロナで休園、及びクラス閉鎖を実施した保育園(9府県の14保育園)を選定し、その利用者を対象に、保育園休園により保護者や子どもがどのような影響を受けたかを調査した。約400名からの回答があり、突然の休園や再開の見通しが立たない中で、保護者の就労状況により保護者の受けたストレスの差は大きかった。在宅勤務可能な保護者もいれば、仕事を辞めることになった保護者がいるなど、保護者の就労状況により、保育園休園の影響が異なることが分かった。また保育園側も休園のルールが自治体から明確に示されない,感染者の情報が適切に提供されないなど、保育現場の混乱していた状況が伺えた。②次に多様な保育ニーズを把握すべく夜間保育園の実態調査を試み、現地での施設長へのインタビューを実施した。コロナの影響で保護者の就労状況が悪化していることが、保育園でもわかるとのことであった。保護者アンケートを実施する予定であったが、コロナの蔓延防止や緊急事態で親のサービス業を中心とした就業先が休業となり、通園者が減るだけでなく、施設関係者が感染し保育園が休園になるなどで保護者アンケートは実施できていない。やはり夜間就労の保護者は飲食やサービス業が多く、コロナの影響を強く受けたことが伺えた。③保育園に入園できたかどうかで、その後の母親のライフコースがどうなるかを探るため、母親へのインタビュー調査を行った。そうすると保育園入園が大きく母親の就労の可否を決めることが分かったものの、一方で保育園だけでは母親の継続就労は無理なことが判明した。家庭内で夫の家事育児への分担・協力や職場の環境が良くないと、就労を断念することになる。また保育園在園中は働けても、小1の壁が乗り越えられず退職する人がいることも分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナによる保育園への部外者の立ち入り制限や、保育園の休園、また保育園への通園者の減少など通常の保育の状況と違い、夜間保育園の保護者調査などが予定どおり進まなかった。また自治体もコロナ対応で繁忙を極め、聞き取り調査などは難しかった。ただし新年度になりコロナが落ち着けば、保護者への調査などを実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度末に実施したコロナで休園した保育園の保護者に実施した調査の分析を進める。 さらにコロナが落ち着けば実施延期となっていた、夜間保育園の保護者の調査を実施し、夜間の保育ニーズについての実態を把握する。また保護者へのインタビュー調査も進め、保育ニーズをさらに探る。また、保育団体の協力を得て、過疎地の保育園の実情についても把握を進める予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ感染が広がったため、保育園への現地訪問調査などが十分に実施できず、保護者へのアンケート調査やヒアリングも予定委通りには進まなかった。一方、保育団体の協力により調査票配布や回収を無償で実施することができ、コロナによって休園した保育園への調査などは、調査票配布の費用が掛からなかったこともあり、当初の予定より安く調査が実施できたことがある。
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