2022 Fiscal Year Annual Research Report
同僚性に困難を抱えやすい乳児保育担当者のキャリア形成とバーンアウト
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20K02695
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Research Institution | Kobe Women's Junior College |
Principal Investigator |
永井 久美子 神戸女子短期大学, その他部局等, 准教授 (20615108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香曽我部 琢 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (00398497)
渡辺 俊太郎 大阪総合保育大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80434877)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 3 歳未満児保育 / 連携・協働 / 保育行為 / 同僚性 / ソーシャル・キャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究では、過去にバーンアウトを発症した元保育者1名を対象とし、採用から離職までのプロセスの分析を行った。その結果、同僚との関係性や家族のサポート、園長の保育への理解度など他者との関係性がバーンアウトの要因のひとつであり、バーンアウトには保育者を取り巻く人的環境が大きく関わっている可能性が示された。複数の保育者で保育を行うことが多い3歳未満児保育者(以下、未満児保育者)には、保育者間の連携・協働が求められ、そのありようがバーンアウトにも影響するのではないかと考えられる。 そこで、未満児保育者間の「連携・協働」について、科目「乳児保育」のテキスト分析を行った。その結果、情報共有を軸として、保育観の共有等を通してチームプレイで行うことが、一人ひとりへの丁寧なかかわりやより豊かな保育のために必要であることが示唆された。次に、文献調査から、複数担任間の「連携・協働」に関して、柔軟性のある職員関係の構築(他の保育者との相互理解等)が大切であり、ハード面よりもソフト面の改善や修正(今いるメンバーで知恵を出し合う等)、効果的な対話の必要性が明らかになった。さらに、未満児保育者間の「連携・協働」について、施設長(園長)の視点でのインタビュー調査や未満児保育者間の保育行為の観察から、「連携・協働」が重要な行為であることが明らかになった。具体的には、研究の結果、以下のことが明らかにされた。 ①未満児保育者のバーンアウトの要因の1つとして、同僚性等が関与している可能性が示唆された。 ②未満児保育者の選定において未満児保育経験のある園長は、「関係性の中での理解」と「互恵的な成長」を重要視していた。 ③未満児保育者の保育行為の観察から、「連携・協働」に関する保育行為(情報共有・アイコンタクト・協働援助)が重要な要素として抽出された。
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Research Products
(8 results)