2020 Fiscal Year Research-status Report
Imaging epigenome-wide association study to identify biomarkers for child maltreatment
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20K02700
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
西谷 正太 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命助教 (50448495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 虐待 / トラウマ / エピジェネティクス / MRI / ゲノムワイド解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マルトリートメント児(Mal児)の脳画像エピゲノムワイド解析によるバイオマーカーの同定を試みることを目的とし、施設保護中Mal児(48名)と一般対照児(48名)を対象に、1)唾液メチル化のエピゲノムワイド解析によるMal児関連候補遺伝子メチル化同定、2)脳MRIによるMal児関連脳脆弱性の解明、3)脳画像エピゲノムワイド解析によるMal児脆弱脳相関バイオマーカーの同定、を行う計画であった。初年度であった本年度は、1)脳MRI実施済の既存唾液試料(Mal児32名、対照児32名)からのメチル化マイクロアレイを行い、マルトリートメントに関連するメチル化部位、領域を調べるゲノムワイド解析、上位の候補部位のデータを用いたエンリッチメント解析を行った。また、2)この既存データ・試料に加え、本年度、想定以上に新たな追加データ・試料の収集を行うことができた(Mal児36名、対照児22名)。そこで、次年度にも追加データ・試料を収集する計画であるため、すべて出揃った段階の解析から結論を出す計画とした。3)一方、マルトリートメントに関連した候補遺伝子として、OXT遺伝子に注目し、Mal児と対照児のメチル化の比較を行った。その結果、Mal児では、複数箇所が領域のような形で高いメチル化を有していることを見出した。そこで、この領域のメチル化と脳MRIとの相関分析を、T1、DTI、rs-fMRI、fMRI(金銭報酬課題)に対して行った。その結果、T1では後頭頂部に有意な負の相関が見られ、fMRIでは左背側線条体(被殻)の活動に負の相関が見られた。また、いつの時期に受けたマルトリートメントがこのOXT遺伝子メチル化を導くのに貢献していたかについて時期を特定する感受性解析を行った。その結果、5-7歳に受けたもの、特に身体的虐待がこのメチル化の増加に関与していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、1)既存試料を用いた中間解析、2)追加データ・試料の収集、3)脳画像エピゲノムのパイロット解析を計画通り順調に進めることができた。特に、2)に関しては、当初の想定以上の数を収集できた。そのため、現段階で、次年度の収集数を合わせたMal児の脳MRI、唾液試料総数は70検体を上回るまでの総収集数が期待できる。これは最終的な解析を行う際、十分なサンプルサイズを確保した解析を行うことに繋がることから、質の高い研究成果を出すために有利な点となる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様、研究計画を進める。データ・検体が出揃ってきたため、脳MRI、ゲノムワイド解析を行う際の品質確認、解析法の最近のアップデートを取り入れながら、次年度、最終年度に行う解析の準備を進めたい。
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Causes of Carryover |
メチル化マイクロアレイの委託分析に計上していた費用が、検体収集を本年度末まで行っていたため、本年度の費用から支払うよりも次年度の費用から行う方が妥当との判断から。本年度に解析できなかった検体、次年度新たに収集する検体の分を、次年度に繰り越した分と合わせて使用する計画である。
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Research Products
(13 results)