2022 Fiscal Year Annual Research Report
Imaging epigenome-wide association study to identify biomarkers for child maltreatment
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20K02700
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
西谷 正太 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 特命講師 (50448495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 虐待 / トラウマ / エピジェネティクス / MRI / ゲノムワイド解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マルトリートメント児(Mal児)の脳画像エピゲノムワイド解析によるバイオマーカーの同定を試みることを目的とし、最終的には、Mal児と一 般対照児を対象に、1)唾液メチル化のエピゲノムワイド解析によるMal児に関連した候補遺伝子のメチル化を同定すること、2)脳MRIによるMal児に関連 した脳脆弱性を解明すること、3)脳画像エピゲノム解析によるMal児脆弱脳相関バイオマーカーの同定、を行う計画であった。最終的に、既存データに加え、追加試料・情報を集約し、データクリーニングした結果、Mal児61名、対照児62名のデータセット(脳MRI、唾液メチル化マイクロアレイ) を構築した。エピゲノムワイド解析から、16箇所の有意なメチル化部位を同定した。また、遺伝子単位で行うGAMuT解析からも、この中の1箇所を含む遺伝子が有意に関連した結果を得た。脳MRIとの関連では、このメチル化が後頭部の紡錘状回と負に相関することがわかった。現在、論文を発表するため準備を行っている。一方、DNAメチル化は組織特異性があり、唾液DNAメチル化と脳構造との関連性が見出だせたとしても機序解明に迫るのは難しい。そこで、脳外科手術を受けた患者の摘除脳組織、血液、唾液、頬粘膜を採取し、それらのメチル化アレイを行うことで、アジアでは初となる脳―末梢組織間相関データベース(AMAZE-CpG)を作成・公開した。これにより本研究で得られた結果の解釈に用いると共に、多くの研究者らに活用されることが期待される。また、本研究によって収集してきたデータを活用し、一般児の脳画像エピゲノムワイド解析をweb上で行うことができるデータベース(meVBM)の開発も行った。これは脳画像データと、メチル化のゲノムワイドデータの両者が揃わないと成立しないため、本研究によって得られたデータが有効に生かされるものとなった。
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Research Products
(6 results)