2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of and verification a goal-oriented ryouiku program for infants with developmental disabilities
Project/Area Number |
20K02710
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
楠本 泰士 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (60710465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友利 幸之介 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (90381681)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 新版 STAI 状態-特性不安検査 / 子どもの強さと困難さアンケート / 発達支援 / MPOC / 特性不安 / 状態不安 / 発達遅滞児 / 保護者 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は「発達支援の必要な児における保護者の特性不安と家族支援の関係」として、施設に通園、通院、入所中の運動や認知機能の発達に遅れがある乳幼児、学童児の保護者53名を対象に、保護者の不安状態の検査として新版 STAI 状態-特性不安検査(STAI)、子どもの状態の評価として子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)、ご家族の受けている療育や医療に対する想い、状況の評価としてThe Measure of Processes of Care(MPOC)を実施した。発達支援の必要な児の保護者の方々のストレス状況やお子さんの状況、ご家族の療育や医療に対する想いに、どのような関係性があるかを調査した。全ての回答の得られた発達障害児や診断名のついていない発達遅滞児22名、その他の疾患児25名(脳性麻痺17名、ダウン症候群2名、その他の疾患計6名)の保護者の回答を分析対象とした。先行研究を基にSTAIの特性不安が80点中45点以上の高値群、45点未満の低値群と疾患ごとに群分けした。SATIとSDQ、MPOCの各値を、疾患の2群、特性不安の2群を対応のない要因とした二元配置分散分析および単純主効果検定にて検討した。本対象保護者の状況として、特性不安が高い者は、子どもの疾患を問わず現状の不安状態を示す状態不安が高かった。発達遅滞児の高値群のお子さんの状態は、その他の群と比べて行為が高く、情緒が低かった。また、発達遅滞児は、その他の疾患児の低値群と比べて、総じて多動の要素が強かったと考えられる。このような状況の保護者、お子さんの状況下でのご家族の受けている療育や医療に対する想いは、励ましと協力や全般的な情報提供、子どもに関する情報提供に関しては、全群で疾患や特性不安の高低で差がなく提供されていた。一方で、対等で包括的な関りや尊重と支えは、その他の疾患児の低値群で最も高かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は新型コロナウイルス感染拡大に伴う、医療現場の活動自粛と活動制限により、対象者募集の協力施設が減っており、全研究の進捗が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は「乳幼児期発達障害児における保護者のニーズや目標の特徴」として、施設に通園、通院、入所中の運動や認知機能の発達に遅れがある乳幼児の保護者50名を対象に、発達に遅れがある乳幼児の日常生活における目標設定をADOC-S を用いて3つの目標を抽出する。目標の達成状況をカナダ作業遂行測定(Canadian occupational performance measure;COPM)の満足度と遂行度(それぞれ1を全くできていない、10をとてもできる、満足しているとした10段階の評価)を用いて保護者に対して調査する。また、新版 STAI 状態-特性不安検査や子どもの強さと困難さアンケート(Strength and Difficulties Questionnaire:SDQ)を合わせて実施する。
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Causes of Carryover |
本研究は新型コロナウイルス感染拡大に伴う、医療現場の活動自粛と活動制限により、対象者募集の協力施設が減っており、全研究の進捗が遅延している。そのため、備品の購入や対象者謝礼の使用が予定通りに実施されなかったため、次年度使用額が生じた。次年度以降は、協力施設数を増やし、継続して本研究が実施できるようにする予定である。未使用額と次年度使用額は、備品購入と対象者謝礼に予算を使用するとともに、論文執筆費用として、使用していく予定である。
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