2022 Fiscal Year Annual Research Report
国語科教育のグローバル化に対する言語文化の評価観・評価方法に関する調査的研究
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20K02724
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
児玉 忠 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (50332490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 仁 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (20160400)
小川 雅子 山形大学, 地域教育文化学部, 名誉教授 (40194451)
植山 俊宏 京都教育大学, 教育学部, 教授 (50193850)
原田 大樹 福岡女学院大学, 人間関係学部, 准教授 (50756492)
中地 文 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70207819)
河野 智文 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70304144)
位藤 紀美子 京都教育大学, 名誉教授 (80027713)
千々岩 弘一 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 特任教授 (90163724)
佐藤 明宏 香川大学, 教育学部, 特命教授 (90242750)
鈴木 愛理 弘前大学, 教育学部, 准教授 (90722215)
佐野 幹 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (90791616)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 言語文化 / 評価観・評価方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本科研は、国語科教育においてわが国の言語文化を教材として取り上げるにあたり、どのような評価観・評価方法をとるべきかを追求し明らかにすることを通して、わが国の言語文化に関する学習指導のグローバル化を目指した研究である。 こうした研究の成果は、研究成果報告書にまとめられた。そこに収められたそれぞれの報告では、言語文化の学習指導に関して、教材コンテンツの開発やその評価観や評価方法が提案された。 たとえば、河野や植山・大西、佐藤は、言語文化教材コンテンツとしての「俳句」に注目した。河野は小学生と大学生に対する調査を対照することを通して俳句の評価法について追究した。植山・大西は特別支援学校の学習者に対する俳句創作指導を行い、俳句創作が学習者の自己表出を支援することを明らかにした。佐藤は、古典といえる俳句(「おくの細道」)を教材コンテンツとし、俳句に内在する見方・考え方を観点に指導と評価を行う可能性について追究した。また、児玉は「詩の創作」を言語文化教材コンテンツと捉え、この「詩の創作」を言語文化の創造性の面から評価する観点として「異化」と「創作のレトリック」に注目し、その具体的な評価方法を示した。小川は、詩歌(詩、短歌、俳句)をさまざまな文種のうちの一つと捉える言語文化教材観の立場から、文種に応じてその教材特性を捉え直す必要性について詳細に検討を加えた。 さらに、原田は、「方言」を言語文化教材コンテンツの一つと捉えた。共通語と方言の使い分けや方言の継承といったこれまでの方言教育観だけでなく、転勤族の家庭で育つ学習者や外国にルーツをもつ学習者などを包摂しつつコンピテンシーベースで指導を構想する可能性について追究した。鈴木は、国語科における「書写(文字を書くこと)」を言語文化教材コンテンツと捉え、その文化的な意味や意義を明らかにしつつ、国語科で培う言語能力との関係を追究した。
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Research Products
(7 results)