2020 Fiscal Year Research-status Report
教師のパフォーマンス力を高めるためのLODを活かした教師教育プログラムの開発
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20K02734
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三戸 治子 (酒向治子) 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (70361821)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 舞踊教育 / ダンス / 教師教育 / 身体表現 / 即興 / LOD / Language of Dance / CCEI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,教師のパフォーマンス力(非言語的コミュニケーション力)の育成に焦点をあて、それらの資質・能力を育成するLODを採り入れた即興的身体表現の手法を構築することを目指している。2020年度の研究計画として,①Language of Dance(LOD)を土台とした即興ワークの創案と実践的試行,および②質的研究アプローチによるインプロ実践専門家の指導法の分析とそれを通した理論的な基盤づくり,の2点を目指していた。 (1)LODをもとに、「方向性」を中心とする即興ワークを創案し,岡山大学教育学部授業『身体表現学』ショーイングイベントにおいて成果を披露した(2020年授業日程12月9日~12月12日土,即興作品「響く距離-即興パフォーマンス-」,於:岡山大学教育学部体育館,コラボレーション:音楽家 岩本象一)。 (2)ジョンストンの即興ワークを展開するインプロ専門家今井純氏のワークショップ分析を行い,その研究成果を教師教育学会第30回オンライン大会にて発表を行った(伊藤・酒向)。 また,上記の理論研究および実践結果から,教師のパフォーマンス力を向上するための基盤となる理論を創案し,「CCEI(Communicative/Creative/Expressive/Imaginative)教育法」という名称によって統合し,成果発表を行った。「CCEI」については,就実大学における公開シンポジウムでの基調講演(題目「未来を拓くCCEI教育-身体表現の立場から-」全体テーマ「創ることを教える-大学表現教育の現在-」2020年9月14日),また第11回日本ダンス医科学研究会学術集会における基調講演(題目「ダンスが育む資質・能力~CCEIの力~」2021年3月14日)で報告している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,研究計画として予定していた2点について,実践面では新たな教育カリキュラム案(原案)の試行,また学術面では「CCEI(Communicative/Creative/Expressive/Imaginative)」という,即興を主体とする新たな身体表現教育法理論を構築し,雑誌論考やおよび学術研究会における成果発表を行うことができた。また,実際の教育現場でカリキュラムをどのように展開するかにつての議論を深めることを目指し,岡山市内の複数の小学校教員と協働した表現研究会を始動することができた。これらを総括すると,保年度の研究はおおむね予定通り進めることができたといえる。 しかしながら,コロナ禍の影響を受けて対面授業の制限があり,計画していた対面授業の事前研究や対面授業時間を十分に確保するには至らなかったため,今後は,カリキュラム案の検討はさらなる検討が必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)2020年に作成したモデルカリキュラムを土台として,さらに大学授業(『身体表現学』ほか)において複数のカリキュラムの立案と実践を行い,最終的には舞台でのショーイングを行う(現予定:岡山市文化市民ホール;収容人数800名)。 (2)上記の教育実践を経て学習者がどのように変容したのかについて,学術的見地からの検証を行う。 (3)前年度教師教育学会で報告した内容を中心として,論文執筆を予定している。また,成果発表のためにHPを立ち上げ,HPを通して情報を発信する予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画として,初年度2020年には,外部講師を招聘したキックオフ公開研究会を予定しており,講師旅費・謝礼金・運営補助金等の経費を計上していた。また,それと連動して,HPを立ち上げ,研究内容についての情報発信や広報をする予定であった。しかしながら,新型コロナウイルス蔓延の影響によってそれらを中止にせざるを得ない状況になった。そのため,それらの予定を次年度に遂行ために,予算を次年度に繰り越すこととした。
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Research Products
(4 results)