2020 Fiscal Year Research-status Report
感性の涵養とコミュニケーション能力育成のための国際的俳句指導の探究
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20K02736
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中西 淳 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10263881)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 俳句 / HAIKU / コミュニティ / 言語能力 / 俳句プロジェクト / 俳句教育 / 国際交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学習者の感性の涵養とコミュニケーション能力の育成を図るための俳句指導のあり方を国際的視野のもとに、理論的・実証的に探究するところにある。本年度はその研究の初年度にあたる。そこで本年度は今後を見通した基礎の考察として、以下の二つのことに取り組んだ。 1.「創作」領域における共通課題の把握 俳句は「創作」領域における文種のひとつに位置づけられている。俳句指導は、その領域における他の文種(短歌・詩・物語等)との関連を考えながら展開する必要がある。そこで、「創作」領域全体の文献を収集・整理・検討することによって、それらの共通の課題を捉えていった。その結果、どの文種においても「創作」と「鑑賞」とを関連づけて行うことの必要性が指摘されているものの、それが十分に行われているとはいえないことが明らかになった。また、その充実を図っていくためには、それぞれの文種の特質やそれらの相違の検討が必要であること、ひいてはそれが、俳句の「鑑賞」の指導の充実に繋がっていくことを確認した。 2. 国際的俳句指導の理論の構築 これまでに行った研究の成果をもとに、国際的俳句指導を展開するための理論構築を図った。俳句は、その文芸的特性から、第一言語教育(国語教育)、コミュニティ形成教育、第二言語教育、ホリスティック教育、環境教育、感性教育、生涯教育に貢献することのできる汎用性が高い教材であることを確認した。さらに、北米においては学習者を五七五(シラブル)の形式から開放すること、学習者にシェアリングの楽しさやその意義を感じ取らせること、さらに教師がその重要性に気づき豊かな俳句教育観を持つことが、そうした教育を展開していくための鍵になることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響等で、当初の計画通りに研究をすすめることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、当初の計画にしたがって、国際的俳句指導の基礎論の構築をさらにはかっていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス等の影響によって、当初の計画を変更せざるをえなかったため。国際的俳句指導論構築のための文献収集、調査、翻訳等にあてる。
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