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2023 Fiscal Year Research-status Report

Study about the relationship between demolition of artifacts in workmanship and clarification of the process of thinking.

Research Project

Project/Area Number 20K02751
Research InstitutionKansai University of Social Welfare

Principal Investigator

金子 美里  関西福祉大学, 教育学部, 准教授 (90867954)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2025-03-31
Keywords工作 / 振り返り / 解体 / メタ認知 / 学習の転移 / 学習科学
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,有益な振り返りの手立てとして「解体」に着目し,学習者が理解途上のものを明確化するための手立てとなるかの調査を行った。
調査は,メタ認知が可能とされている年齢を対象とし,A:工作を行い振り返る,B:工作の制作物を解体して振り返る,による二つの振り返りの感想文をテキストマイニングの手法を用いて比較した。調査の結果,抽出したカテゴリーからAはメタ認知的モニタリングの傾向に留まる一方で,Bはメタ認知的コントロールに分類されるカテゴリーがみられた。Bは解体する際にメタ認知上での思考の操作が行われたことを意味する。よって学習の転移を見据えた思考がなされたと判断できることから,本調査における振り返りの手立てとしての「解体」は有意な一面をもつという可能性を見出した。具体的には、制作と解体を行った学生の感想を分析(テキストマイニングや語彙リスト,対応分析,共起ネットワーク,ワードクラウド)を見渡すことで「解体」を含む振り返りの特徴を把握することを試みた。分析結果から,AとBでは元データとしての記述の量はAの方が575多いのに対し,カテゴリー化するとA:6,B:8とBの方がカテゴリー数が多く,振り返りの視点が増えていた。例えば,接着したボンドの部分を引きちぎる際に,思った以上の力がかかる時,思考が「ボンド」「強い」「想像以上」「着くには時間がかかる」などの過程を一気に思い浮かべるきっかけとなった。したがって,今後ボンドを使う際の使い方には考えが加わりここに学習の転移の姿があるといえる。
しかし調査から、完成した際の満足感の壁が高く,その壁を壊してまで自ら学習を行うことは困難と捉える被験者も一定数見られた。
よって、本研究では図画工作の授業展開としての「解体」を試みたが、「解体」を行う過程がもたらす効果に特化し、授業とは切り離して考えることが妥当であるという結論に至った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では,有益な振り返りの手立てとして「解体」に着目し,学習者が理解途上のものを明確化するための手立てとなるかの調査を行った。
調査は,メタ認知が可能とされている年齢を対象とし,A:工作を行い振り返る,B:工作の制作物を解体して振り返る,による二つの振り返りの感想文をテキストマイニングの手法を用いて比較した。調査の結果,抽出したカテゴリーからAはメタ認知的モニタリングの傾向に留まる一方で,Bはメタ認知的コントロールに分類されるカテゴリーがみられた。これは解体する際にメタ認知上での思考の操作が行われたことを意味する。よって学習の転移を見据えた思考がなされたと判断できることから,本調査における振り返りの手立てとしての「解体」は有意な一面をもつという結論に至った。
だが、論文を学会に投稿した際に、掲載不可となった。その理由として①先行研究が不明であること、②研究方法が被験者への心理的不安につながる場合があること、③分析の方法が結論と結びつきにくい点が挙げられた。

Strategy for Future Research Activity

学習指導要領の図画工作編にある「つくり、つくりかえ、つくる」は自発的な行為として学習の深まりを表している文言とみる一方で、本研究は、外発的・意図的に「つくり、つくりかえ、つくる」を授業に導入することの可能性について研究するものである。調査では被験者に制作物を作ってもらい、それは持ち帰りたくはないとの意向を確認した上で解体する展開に至るが、被験者の精神的な苦痛は高いものがあった。解体することに精神的な苦痛を和らげられる方法としては、元通りに片付けられる素材(積み木・粘土)が考えられるが、これでは手作業の制作過程をひもとくことはできない。ここに本研究のジレンマを感じている。
今後の研究の推進方策として、3つの点を挙げる。①このジレンマを解消する素材の選択、②解体に関する被験者への説明内容の見直し、③被験者の選定。
①では自由な素材の中に片付けられる素材を混ぜ、解体する前提で制作を行うこと。この方法により、解体による精神的な苦痛は和らぐと考える。②では①により解体が前提にあることを理由に交え、解体に関する説明を行う。③は、被験者の選定の条件として、解体を前向きにとらえることができる被験者に絞ることとする。このことは、「解体」の過程が思考に働きかけることは何かに焦点を絞り、データを取得するために有効であると考えている。

Causes of Carryover

研究が進まず、次年度に繰り越すこととなった。

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Published: 2024-12-25  

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