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2020 Fiscal Year Research-status Report

描画材の段階的併用による表現力向上のための基礎研究

Research Project

Project/Area Number 20K02754
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

溝口 昭彦  岩手大学, 教育学部, 教授 (40779948)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords絵画技法 / 美術教育
Outline of Annual Research Achievements

1 高等学校における研究授業およびアンケート調査1:描画材の段階的併用による表現力向上の基礎研究として、研究対象を高等学校美術に定め,授業で実施可能な授業試案を立案した。岩手県立不来方高等学校に研究協力を依頼後、2020年8月20日から10月16日まで普通科芸術学系絵画受講生徒11名を対象に、描画材の段階的併用技法を取り入れた授業試案1を実施後、アンケート調査をした。その結果より授業試案1の改善点を確認できた。また本研究で制作された11作品は、研究協力校主催の「第31回未来の巨匠展」において観察描写の研究として発表された。(2020年12月16日~12月20日、ギャラリーアイーナ、盛岡)
2 高等学校における研究授業およびアンケート調査2: 2021年1月から3月に、岩手県立不来方高校普通科1年生4クラス83名を対象に、授業試案1を美術1の授業での実施実現に向け改善した色鉛筆(白)とアクリル絵具の段階的併用に絞った授業試案2を実施した。また対象生徒に対してアンケート調査をして表現力向上に関わる効果を確認した。
3 高等学校教諭に対する併用技法体験:令和2年度 高等学校教諭授業力向上研修講座「講義・演習 新学習指導要領の趣旨を生かした表現の授業の進め方」(2020年8月4日、岩手県立総合教育センター)において、参加教諭2名を対象に色鉛筆(白)、アクリル絵具、油絵具の段階的併用技法の制作演習を授業試案1前半部分にそって実施し、アンケート調査および聞き取り調査を行なった。
4 一般市民を対象とした研究紹介:岩手大学アートフォーラム事業「出張いわて美術茶話16」において、一般美術愛好者14名を対象に大学における実践研究として、色鉛筆(白)、アクリル絵具、油絵具の段階的併用技法研究について、制作段階を示すスライドおよび実際の用具を用いて紹介した。(2020年11月1日、宮古市山口公民館)

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2020年度に予定した描画材の段階的併用による授業試案1は、高等学校における研究授業および対象生徒や研究協力教員へのアンケート調査を実施することができた。研究成果展については、当初研究成果作品のみで実施計画したが、コロナウィルス感染拡大対策として、研究協力校主催展覧会の一部として展示することに変更した。授業試案1の課題検討後、高等学校美術1での実施を想定した授業試案2を立案した。予定では、授業試案2は、2021年度立案実施の予定であったが、コロナウィルス収束の予想がつかないため、2021年1月~2月に先行して実施することとした。授業試案1が、色鉛筆(白)、アクリル絵具、油絵具の3種類の画材を段階的に使用するため、比較的多くの授業時間と絵画専門技術を必要としたため、授業試案2では、使用画材を色鉛筆(白)とアクリル絵具に絞り、授業者および受講生徒の材料や技法習得の負担軽減を図りながら段階的併用による絵画表現力向上を維持する研究の方向性を確認できた。また研究推進と成果の報告として、美術教員対象の授業力向上研修や一般の美術愛好者を対象とした地域における生涯教育事業において、調査や研究紹介を実施することができた。なお授業試案1については、岩手大学教育学部附属教育実践・学校安全学研究開発センター研究紀要第1号(2021)に、「高等学校における絵画表現に関する実践研究報告2-段階的併用技法における客観視について-」において、授業試案1の課題解決案と受講生徒のアンケート結果を実践報告としてまとめた。以上のことより、コロナウィルス感染拡大予防対策として一部予定変更をしたが、全体としては概ね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

1 描画材料の段階的併用による授業試案2の立案および実施について:2021年度研究計画は、2020年度実施した授業試案1の課題解決に基づき、授業試案2を立案し実践研究することが、主な内容であった。コロナウィルスの収束が予想できないため、この内容を2020年度後半の2021年1月~2月に先行して授業試案2を立案して研究授業を実施した。この授業試案1および2の実施から、色鉛筆(白)、アクリル絵具、油絵具の3画材を段階的に併用する授業試案1は、高等学校において美術1・2・3を配置した普通科や美術を専門的に学ぶことが可能な美術科および総合学科等を対象とした授業立案のモデルを目指し、授業試案2は、美術1を中心に実施する高等学校での授業立案モデルを目指すこととした。2020年度に授業試案1および授業試案2についてのアンケート調査も実施済みであることから、アンケート結果を分析して、研究授業の追加が必要かを判断する。あわせて,高等学校美術部活動における併用技法導入の講習等が表現力向上に効果があるか実践研究を試みる。これについては新たに研究協力校を探すことも検討する。
2 描画材料の段階的併用に関する材料や技法についての研究および調査:材料研究については、授業試案1で課題となっている油絵具の画溶液の混合について研究を進める。また必要に応じて描画材併用技法による表現力向上のため、絵画材料の専門家や混合技法の研究者等から聞き取り調査を進める。
3 岩手県内高等学校美術教員を対象としたアンケート調査について:研究協力教員からの授業試案実施後のアンケート調査および平成30年、令和2年度 高等学校教諭授業力向上研修講座で実施したアンケート結果を分析し、調査項目の追加が必要な場合に実施する。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由はコロナウィルス感染拡大防止のため、出張が県内出張に限られたことおよび、展覧会企画が中止になった事による旅費人件費等の使用がなかったためである。次年度は、コロナウィルス感染拡大の状況により、感染防止策を講じて実施可能な研究会および聞き取り調査等の研究方法の変更を考慮に入れながら研究を推進する予定である。また、高等学校美術部活動における本研究の有効性を確認するため、新規に研究協力校を依頼する可能性もあり、研究に必要な画材等を購入する計画である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 Other

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 高等学校における絵画表現に関する実践研究報告2-段階的併用技法における客観視について-2021

    • Author(s)
      溝口昭彦
    • Journal Title

      岩手大学教育学部附属教育実践・学校安全学研究開発センター研究紀要

      Volume: 第1巻 Pages: 117-126

    • Open Access
  • [Remarks] 117 高等学校における絵画表現に関する実践研究報告 2 -段階的併用技法における客観視について-

    • URL

      https://www.edu.iwate-u.ac.jp/wp-content/uploads/2021/04/e99944baf07cb0d7a41cd2fb14aebba0.pdf

URL: 

Published: 2021-12-27  

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