2020 Fiscal Year Research-status Report
社会系教科における多文化的シティズンシップの育成に関する研究
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20K02758
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
桐谷 正信 埼玉大学, 教育学部, 教授 (90302504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 益美 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (20616495)
佐藤 公 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (90323229)
宮崎 沙織 群馬大学, 教育学部, 准教授 (90591470)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多文化教育 / シティズンシップ / 社会系教育 / 多様性 / 公共性 / 人口減少 / 移民 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,COVID-19の感染拡大に伴って海外及び国内の現地調査ができなかったため,文献やインターネットを利用した基礎的調査を中心に研究を進めた。 アメリカにおける多文化教育の現状について,ニューヨーク州の社会科カリキュラムを中心に分析し,フレームワークは1996年のカリキュラム改革時のものを継承しつつ,よりグローバル化への対応を考慮した内容に変化がみられることを確認した。カナダにおけるシティズンシップ教育の現況と多様性への配慮について,各州の社会科カリキュラムを中心に分析し,過去10年間での変化と普遍的なものを抽出を続けている。2020年度は,現地調査ができなかったため,Web上で収集できるものを中心として,資料・情報収集を行うことで基礎的な研究活動を行なった。 多文化的シティズンシップ育成における歴史教育の役割について,アイデンティティ形成の側面と公共性の獲得の側面から検討した。ナショナルヒストリーと地域史の輻輳的なカリキュラム構成の工夫が行われていることが確認された。地理教育の役割について,小中高を通し,空間的相互関係性の視点から追究を行った。地域における多文化や混成状況を空間的に可視化させ,その背景にある構造や信念に気づき子どもの認識につなげていくことが,多文化的シティズンシップ育成における地理領域の役割の一つであることが確認された。公民教育及びシティズンシップ教育の中核領域として,カリキュラムのコンテンツやコンピテンシーをどのように位置づけられているか分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の世界的感染拡大に伴って渡航ができなくなり,研究対象国・地域での現地調査ができなかったためである。研究対象国は,現在も外国からの入国を厳しく制限している状況である。そのため,文献とインターネットによる基礎的調査を中心に展開せざるをえず,研究計画に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の感染拡大に伴う渡航制限が緩和され次第,順次,現地調査(アメリカ,カナダ,ドイツ,オーストラリア,韓国)を実施する。2021年度は,認識面と市民的行為において,「多様性」と「公共性」のバランスをどのようにとっているかを中心に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が発生した理由は,COVID-19の世界的感染拡大に伴って渡航が厳しく制限され,研究対象国・地域での現地調査ができなかったため。 次年度使用計画としては,COVID-19の感染拡大に伴う渡航制限が緩和され次第,現地調査(アメリカ,カナダ,ドイツ,オーストラリア,韓国)を実施することで,旅費として使用する。
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Research Products
(1 results)