2022 Fiscal Year Annual Research Report
社会系教科における多文化的シティズンシップの育成に関する研究
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20K02758
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
桐谷 正信 埼玉大学, 教育学部, 教授 (90302504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 益美 東北学院大学, 教養学部, 准教授 (20616495)
佐藤 公 明治学院大学, 心理学部, 准教授 (90323229)
宮崎 沙織 群馬大学, 教育学部, 准教授 (90591470)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多文化教育 / シティズンシップ / 社会系教科 / 多様性 / 公共性 / 統一性 / システム思考 |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカ・ニューヨーク州では,NCSSのC3フレームワークを参考に,1996年に5つのスタンダードが策定されている。そのため,「探究」を基盤としたリテラシー育成を目標としたスタンダードである。スタンダードでは,「 個人の成長と文化的アイデンティティ」「2文化の発展、移動、交流」「 権力、権限、およびガバナンス」「7市民の理想と実践」などが設定されており,「若者が、相互に依存する世界において、文化的に多様で民主的な社会の市民として、公共の利益のために十分な情報に基づいて合理的な決定を下す能力を身につけ」ることを目的としている。そして,すべての生徒が,相互依存の世界において「文化的に多様で民主的な社会の一員」として公共の利益のために十分な情報に基づいた決定を下せる市民になるための準備教育が展開されていることを明らかにした。 カナダのシティズンシップ教育,主に歴史教育では,歴史認識の相違は多文化共生にとって極めて大きな障壁となるため,過去における人種・民族の間の事実認識や歴史解釈の溝はいまだ解消されたとは言えず,歴史認識の相違は国家の統合において重要な問題である。多様な歴史認識を尊重し,主体的に「仲間」として互いを認識し,かつ尊重できるようにカリキュラム構造となっていることを明らかにした。 日本の地理教育においては,システム思考を思考ツールとして,地域における多文化や混成状況を空間的に可視化させ,その背景にある構造や信念に気づき,子どもの認識につなげていく授業開発を行った。 これら研究成果を、日本社会科教育学会で発表したり,海外のjournalに投稿した。
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Research Products
(2 results)