2022 Fiscal Year Research-status Report
The development of systematic and consistent curriculum about teaching ratio at from primary school level to secondary school level
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20K02761
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
熊倉 啓之 静岡大学, 教育学部, 教授 (00377706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 新一郎 静岡大学, 教育学部, 教授 (40447660)
近藤 裕 奈良教育大学, 数学教育講座, 教授 (80551035)
早川 健 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40585387)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 数学教育 / 割合 / 体系的カリキュラム / 比 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は,大きく分けて次の3つの取組みを行った。 1 中学校で2回,高等学校で1回の授業研究会を実施した。中学校の1回目の実践(10月)では,中1を対象にして,方程式の活用の単元で,割合の問題を比例式で解決することを取り上げた実践を行った。中学校の2回目の実践(2月)では,同じく中1を対象にして,家庭科の授業と連携しながら,1次方程式の活用という位置づけで,第3用法の問題で誤った考えを取り上げた実践を行った。また,高等学校の実践(12月)では,高1を対象にして,数学Aの内容と関連付けながら,不定方程式の活用という位置づけで,PPタイプの割合の問題の解決を目指した実践を行った。いずれの実践においても,割合の理解を深めるための実践の重要性と,指導上の留意点を明らかにすることができた。 2 9月に研究全体会を実施した。研究メンバーで授業研究会での実践も含めた授業実践計画や実践報告について,互いに情報共有するとともに,小学校・中学校・高等学校のそれぞれのグループに分かれて,指導の在り方について議論した。 3 これまでの研究成果を,3つの学会で発表した。日本科学教育学会年会では「中学3年生におけるPP問題を題材とした割合の授業実践」というテーマで,日本数学教育学会秋期研究大会では「割合と比の関係に関する考察」というテーマで,数学教育学会秋季例会では「割合の理解の特徴と指導の在り方」というテーマで,それぞれ発表した。発表後の質疑応答を通して,あらたな知見を得ることができた。また,静岡大学教育実践総合センター紀要に,「割合と比の関係に焦点を当てた割合指導の在り方」というテーマで,論文にまとめて発表した。 なお,計画では,フィンランドの授業視察と研究者との研究交流を計画していたが,残念ながら新型コロナウイルスによる影響のため,実施することができなかった。来年度に実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画は,おおむね順調には進捗しているが,新型コロナウイルスの影響により,次の計画にやや遅れが見られる。 1 授業研究会を令和4年度は3回実施できたが,もう少し多くの回数を実施する計画であった。 2 フィンランドを訪問することができなかったため,フィンランドの授業を視察して日本の割合指導と比較することができなかった。また,フィンランドの研究者と直接に交流することができず,共同で進めている割合の理解に関する研究をあまり進展させることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は,計画の最終年度に当たるため,次のことを実施する計画である。 1 令和4年度に実施できなかった授業研究会を実施する。小学校,中学校,高等学校の学校種を問わず,授業研究会を積極的に実施していく予定である。 2 令和4年度に訪問できなかったフィンランドを視察して,フィンランドの授業を観察するとともに,フィンランドの数学教育研究者とセミナーを開催し,共同研究を進展させる。 3 研究全体会を開催し,研究全体をまとめ総括する。 4 研究成果について,学会発表を行うとともに,紀要等に論文としてまとめる。 以上の計画を推進して,本研究の目的である「小・中・高を一貫した「割合」指導の体系的カリキュラムを構築し提言する」ことを実現する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により,次の2点を計画通りにするめることができなかったために,次年度使用額が生じた。 1 授業研究会が予定通りに実施できなかったこと。 2 フィンランドを訪問して授業観察や研究者との研究交流が実施できなかったこと。 令和5年度は,これまで計画してできなかった授業研究会を実施するとともに,フィンランドを訪問するために,旅費などを使用する。
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Research Products
(5 results)