2021 Fiscal Year Research-status Report
国語科メディア対話論の構築―対話過程における学びの明確化―
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20K02762
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
砂川 誠司 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (20647052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
時津 啓 島根県立大学, 人間文化学部, 教授 (20518005)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メディア・リテラシー / 対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究においては、前年度に実施した高等学校における教育実践について再考察を行い、論文化を行った。当該の論文では、SNSの利用規約を書き換える実践において、学習者同士の対話がメディア・リテラシーの獲得に関わる事例と関わらない事例とを示した。また、国語科カリキュラムにおけるメディアの位置づけについての理論的視座を得るため、イギリスのナショナルカリキュラムにおけるメディアの歴史的位置づけについて検討し、研究ノートとしてまとめ、公開した。メディア教育の実践的な広がりがカリキュラムの作成に深く結びついていることが明らかとなった。 本研究は、メディアについての対話がどのように引き起こされ、そこからいかにして学びが生起しうるのかを明らかにするものである。したがって、公的なカリキュラムに明確にメディア教材が位置づけられていれば、より多くの授業実践を分析の対象とすることができ、結果の一般性を高めることができる。ただし、現状では明確に位置づいてはおらず、研究協力者の支援を受けて試験的な実施を繰り返すことが必要である。 本年度は小学校において、写真を教材として用いた単元開発および試行実践を実施し、膨大な対話データを蓄積することができた。また、研究代表者・研究分担者・研究協力者が集う研究会合を小学校と高等学校に分けて、遠隔および対面で合計6回開催した。その間における各自の調査実施およびその分析等によって研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究はメディアを対象とした対話のあり方を探るものであり、研究計画上、二年目の年度は対話データの蓄積を分析・考察することが目的であった。しかし、新型コロナウイルスの感染症対策のため、初年度にデータを蓄積することができず、十分に目的を果たすことができていない。本年度は、初年度に得るはずであったデータについて、合計で8時間分、64グループのデータを得ることができた。ただし膨大なデータを分析にかけられる状態にまで整える作業までは実施できなかった。また海外からの専門家との協議も実施できなかったため、(3)やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに計画段階から遅れているデータの分析に早急に着手し、そこから得られた知見をもとに新たな単元開発までをスピーディーに実施する。 また、本研究ではイギリスから専門家を呼び、授業を視察および共同討議する案を計画していたが、現状でも海外からの入国は厳しく、実現が難しい。国際的な研究としての意味づけができるよう、オンラインでの協議が可能な体制を整えていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症により、実践を視察するための旅費、および海外からの専門家を招聘するための費用が不要になったため。次年度においては、オンラインでの会議等に必要な物品等に変更して使用する予定。
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