2020 Fiscal Year Research-status Report
「専門職の学習共同体」を創造する校長のリーダーシップに関する構成主義的研究
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20K02763
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
織田 泰幸 三重大学, 教育学部, 准教授 (40441498)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 専門職の学習共同体 / 校長のリーダーシップ / 構成主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「専門職の学習共同体」としての学校を創造する校長のリーダーシップの特質について,構成主義的なリーダーシップ論の観点から理論的・実証的に検討することである。具体的な到達目標は,①「専門職の学習共同体」の基礎となるリーダーシップ論について,構成主義的なリーダーシップ論の観点からその特徴と位置づけを明確にすること,②アメリカの「専門職の学習共同体」としての学校の参与観察および校長への聞き取り調査をもとに,その学校の特徴や校長のリーダーシップの在り様を検討すること,である。①については,今年度は構成主義的なリーダーシップ論として「分散型リーダーシップ」を位置づけ,アメリカの教育経営学者メイロウェッツ(David Mayrowetz)の議論に着目し、その理論的な枠組みを整理・検討したうえで,意義と課題について考察を加えた。 より具体的には,1.学校改革事業における「分散型リーダーシップ」の位置,2. 「分散型リーダーシップ」の用法,3. 活動再設計としての「分散型リーダーシップ」の概念モデルと事例分析について整理・検討した。事例分析では「専門職の学習共同体」と「分散型リーダーシップ」の開発を進めたポジティブな事例を紹介した。メイロウェッツらのモデルは,①理論的な枠組みだけでなく,学校改善を導くための実践的な概念モデルを構築した点,②教育経営の中心的なテーマである学校改善やリーダーシップ開発との関連を理論的・実証的に裏付けた点,に意義があることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では,アメリカの「専門職の学習共同体」としての学校の参与観察および校長への聞き取り調査をもとに,その学校の特徴や校長のリーダーシップの在り様を検討することを予定していたが,コロナ禍のため,アメリカ出張を断念した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は,1年目に引き続いて①メイロウェッツらの研究チームの文献から具体的な学校改善の事例の分析と検討を行うこと,②メイロウェッツらの研究チームのメンバーである,ルイス(Louis,K.S.)やマーフィ(Murphy,J.F.) の文献を手掛かりとして、「専門職の学習共同体」を創造するための構成主義的なリーダーシップに関する理論的な検討を行う。
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Causes of Carryover |
理由はコロナ禍のためアメリカ出張調査旅費の使用ができなかったためである。次年度以降には,主に出張旅費として使用する計画である。
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