2020 Fiscal Year Research-status Report
ユネスコ・エコパーク圏におけるESD促進のための問題基盤型学習の開発
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20K02778
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
小玉 敏也 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (60632213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 治 立教大学, 社会学部, 教授 (60184206)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ESDに関する教員研修 / 小中連携 / 総合的な学習の時間の教育課程 / エコパーク |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の目標は、①研究体制の確立、②エコパーク圏の学校への質問紙調査、③飯田市の学校・自治体へのヒアリング調査であった。 ①は、研究分担者と協議して調査計画を立案できたたが、新型コロナ問題の悪化によって、予定していたユネスコスクール加盟校へのヒアリングはできなかった。 ②の質問紙調査は、2021年2月に予定通り実施することができた。当初の予定では、エコパーク圏の学校のみを対象にしていたが、ジオパーク圏としての取組がより普及する自治体(福井県勝山市)もあり、質問紙調査の記述に工夫を加えた。回収率は50%となり、全ての対象校を網羅することはできなかった。 ③は、自治体担当課へのヒアリングは実施できたが、各学校に訪問することができなかったので、②の調査票を使用して実態を把握した。しかし、飯田市遠山地区3校とは、リモートによって定期的に情報交換や取組支援を実施することができた。 新型コロナ問題で、当初の計画は十分に実現できなかったが、ESD推進の観点からは、遠山地区3校に何度もアプローチする機会を得たので、小中学校間の連携、教員研修、社会教育との協働等で大きな成果があった。本研究の目的からは外れるが、立教大学ESD研究所とは8月にハイブリッド型のESD塾を開催して地元の小中学生の自然体験学習を支援できた。また、飯田市の学輪IIDAという市民組織と連携し、高校生と地域専門家とのフィールドスタディーも実現できた。この一連の取組の成果は、第3回日本ESD学会で発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来なら、質問紙調査を実施した後、エコパークに関する先進的な取組がある福井県と宮崎県を訪問して、該当の学校・市役所の文書資料やヒアリングデータを取得する予定でいたが、それが全くできていない。感染状況の推移を見極めながら、研究の方向性と研究活動を柔軟に見直す必要を痛感している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、①エコパーク圏の学校と自治体への実態調査、②ユネスコスクール加盟校の教育課程と授業方法の分析、③遠山地区3校へのアクションリサーチを計画している。2020年度の進行状況から、③は進められる可能性が高いが、①と②については、現地訪問の時期と条件が限定されて、実現するかどうか見通すことができない。リモート等を活用して、引き続き調査の可能性を探っていきたい。遠山地区3校には、今後も各学校に入って問題基盤型授業に取り組むことは難しいので、エコパークを含む地域資源を活用した教育課程編成の支援を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
現地調査を実施できなかったために、旅費を全く使用することができなかった。本研究において現地調査は不可欠なので、2021年度も実施を計画しているが、新型コロナ問題の影響を見極めつつ、目的地と調査の形態を再検討したい。
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