2022 Fiscal Year Research-status Report
ユネスコ・エコパーク圏におけるESD促進のための問題基盤型学習の開発
Project/Area Number |
20K02778
|
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
小玉 敏也 麻布大学, 生命・環境科学部, 教授 (60632213)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 治 立教大学, 名誉教授, 名誉教授 (60184206)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ユネスコエコパーク / ESD / ユネスコスクール / 総合的な学習の時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、以下の3点であった。1)エコパーク圏における自治体とユネスコスクール加盟校の連携の実態を調査し、協働的な体制を構築するための要件を教育課程編成の観点から明らかにする。2)同圏の加盟校における総合的な学習の時間の実態を調査し、ESDを促進するための課題を抽出する。以上2点の知見を踏まえて、3)問題基盤型学習(PBL)を同圏の加盟予定校で試行し、授業方法としての効果を評価する。 1)の実態調査は実施し、成果を日本ESD学会及び日本ESD学会で発表できた。2)3)は、新型コロナ問題の影響で大きな軌道修正を行なった。2)については自治体関係者(担当課・教育委員会)への質問紙調査とヒアリングを行い、その成果を論文化する準備に入ったが、3)については、期間中に当該学校に入れない状況が続いてPBLの実施と評価は断念した。しかし、関連出版の書籍として、総合的な学習の時間の専門書とSDGs/ESD関連の専門書2冊を出版することができた。 本研究を進める中で、エコパークにおける生物多様性に係る教育のあり方に課題があることに気づいたので、今後は博士後期課程の学生と共同で、本科研費研究の過程で引き続き検討していく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染問題で、遠隔地の学校へのヒアリングが予定通りにできなかったこと、PBLの授業の試行を予定していたが、学校に入れる期間がほとんどなく、管理職や教員とも打ち合わせができなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度中に、生物多様性教育に関する仮説的な指標を作成し、単独自治体でユネスコエコパークを運営する3自治体のユネスコスクールに調査票を送付する。回収後、当該学校が、どのように生物多様性の保全を目的とするユネスコエコパークの考え方を取り入れて実践しているのかを整理し、生物多様性に係る国際的な議論と生物多様性国家戦略等の施策と、どのような共通点と齟齬があるのかを明らかにする。これらの研究によって、今後の我が国における生物多様性教育のフレームワークを提示したい。
|
Causes of Carryover |
当該助成金は生じた状況は、新型コロナ感染問題により、調査地に直接訪問できなかったことが主な理由である。2023年度は、調査地への旅費と物品購入等に充てる予定である。
|