2020 Fiscal Year Research-status Report
文学的文章の読解において中学生の分析的思考を引き出す多様な「問い」の開発
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20K02789
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
折川 司 金沢大学, 学校教育系, 教授 (90401877)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 問い / 読解指導 / 日露比較 / 中学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年次である2020年度は,(1)日露の文学的文章読解の指導実態と子どもの意識の把握,(2)分析的思考に繋がる問いの要素・要件,及び7-9年生段階に求められる問いの水準の確定に取り組んだ。特に,ロシアにおける文学的文章読解の指導については,前研究「中学生の読書の質的充実を目指す学校読書環境モデルの開発」(基盤研究(C))の中で整理した問いの様相を再度見直し,その特徴について分析を加えてきている。 しかしながら,新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって,日本もロシアも少なくない打撃を受けた。感染者が多いロシアへは,事実上渡航が禁じられ,現地の学校で調査をしたり,モスクワの教員と問いの要素・要件について検討をしたりすることができなかった。「中学生の読書の質的充実を目指す学校読書環境モデルの開発」の成果を基にさらに分析を進めたロシアの文学教育における問いの様相についても,その妥当性等を検討する機会が得られなかった。 また,感染の終息が見えない日本においても,特に教育の現場の混乱が大きく,感染阻止に向けた数々の取り組み(子どもへの指導や校内の消毒,教具等の管理など)によって,教員も子どもたちも疲弊し,また部外者の校内への立ち入りや教職員との接触等についてもかなりナーバスになっていたため,研究にほとんど進展が見られなかった。 状況的に苦しさは否めないが,2021年度に再スタートを切り,2020年度に実施する予定であった課題を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの世界的な蔓延によってロシアへの渡航,及び日本国内での学校訪問等が事実上不可能であったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスの感染状況によるが,2020年度に計画していた課題(1)日露の文学的文章読解の指導実態と子どもの意識の把握,(2)分析的思考に繋がる問いの要素・要件,及び7-9年生段階に求められる問いの水準の確定に改めて取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大によって,ロシアへの渡航,及び日本国内での学校訪問等が事実上不可能となったため。本研究計画を一年後ろ倒しする予定である。
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