2021 Fiscal Year Research-status Report
小学校外国語科の高度化をめざした海外の学校との遠隔授業に必要な授業スキルの明確化
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20K02795
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
倉田 伸 長崎大学, 教育学部, 准教授 (80713205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松元 浩一 長崎大学, 教育学部, 教授 (20219497)
中村 典生 長崎大学, 教育学部, 教授 (70285758)
鈴木 章能 長崎大学, 教育学部, 教授 (70350733)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 遠隔授業 / 小学校外国語 / 授業スキル / 海外 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は海外の学校との遠隔授業を経験したことがある教員3名に対してインタビュー調査を実施した.その際,必要に応じて遠隔授業で使用したシステムを提示したり,または,操作してもらったりすることをとおして当時の記憶を思い出してもらいながら語っていただいた.その結果,リアルタイムの遠隔授業において,6つの観点に整理し,22項目の工夫点・留意点を抽出した.1つ目の観点は【海外の学校との遠隔授業当日までの準備】であり,「交流の目的・双方の文化・現在の学習段階など,早い段階で情報共有しているか」や「児童は遠隔授業に対して十分に慣れているか」などの5項目を抽出した.2つ目の観点は【海外の学校との遠隔授業に関する専門性】であり,「遠隔授業に関するICTの基礎的な知識や技能には自信があるか」や「遠隔授業で使用できそうなコンテンツを準備しているか」などの4項目を抽出した.3つ目の観点は【海外の学校との遠隔授業中の児童同士の対話を促す行動】であり,「教師自ら英語で話したり,答えたり,問いを投げかけたりしているか」や「双方の児童が理解できる文法レベルに合わせて話しているか」などの4項目を抽出した.4つ目の観点は【海外の学校との遠隔授業中の形成的評価】であり,「児童の活動の良い面を常にフィードバックできているか」や「児童が達成感を得られるようフォローできているか」の2項目を抽出した.5つ目の観点は【海外の学校との遠隔授業中のデジタル情報発信方法】であり,「視覚的な支援ができているか」や「児童の発表がわかりやすく伝わるための指導ができているか」などの3項目を抽出した.6つ目の観点は【海外の学校との遠隔授業後の評価】であり,「児童の興味・関心について評価しているか」や「多面的な視点で評価しているか」などの3項目を抽出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,コロナ禍の状況がある程度収まった短期間のタイミングでインタビュー調査を実施することができた.ただし,インタビュー調査を行えたのが昨年の冬であるため,今年度に行うはずの「インタビュー調査結果から授業スキルを明確化すること」までには至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,インタビュー調査結果をもとに,質的データ分析を引き続き行い,授業スキルの明確化を目指す.さらに,授業スキルに関するルーブリック化を行う.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大にともない,出張を伴うインタビュー調査および学会発表が思うようにできなかったため,旅費が予定と大きく差が出た.また,過去に使用した遠隔授業用のシステムの改修に予算を使用した.この目的はインタビュー調査の際に,実際に使用しながら行うためである.今後も新型コロナウイルス感染拡大で,思うように出張ができないことが予想されるため,目的は変えずに手段の代替を検討しながら,引き続き研究活動を進める.
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Research Products
(4 results)