2020 Fiscal Year Research-status Report
能動的な姿勢を促す参加体験型音楽鑑賞学習に関する研究 ジュネーヴの教育からの示唆
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20K02796
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
今 由佳里 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (40440838)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鹿児島高等農林學校 / 田之神舞 / 学校行事 / 幼児の手遊び |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度は、スイスへの調査と研究資料の収集を実施する予定であったが、COVID-19の影響により海外渡航を断念せざるをえなかった。そのため令和2年度は、予備調査として日本における参加体験型音楽鑑賞学習の実態を確認することとし、研究の視点を筆者が所属する鹿児島へ向け、鹿児島大学農学部の前身である鹿児島高等農林學校において毎年行われていた学校行事「新嘗祭」における「田之神舞」の教育的意義に着目して、考察を行った。これは、音楽に特化した行事ではないが、戦前の高等農林學校において、全校生が参加した芸能鑑賞の稀な機会であった。農学に関する技術的、理論的な学びのみならず、文化的な側面を積極的に導入した教育が、より良い影響をもたらしていることがうかがえる事例である。本研究の成果は、九州地区国立大学教育系・文系研究論文集,Vol.7, No.1,2020年において、「鹿児島高等農林學校における田之神舞の意義」として発表した。一方令和2年度は、幼児の手遊び歌にも着目して研究を進めた。一般的に手遊び歌は、表現の領域に属する活動であるが、幼稚園における幼児の姿を観察すると、自らが歌を歌うだけではなく、保育者の歌を聴きながら手遊びする姿が往々にして見られる。歌を歌うという活動がなくとも、保育者の歌を鑑賞しながら能動的に手を動かすことにより、音楽をよりよく感じる機会になっていることが明らかになり、教育的効果が認められることを考察した。なお本研究の成果は、鹿児島大学教育学部研究紀要72巻(教育科学編),2021年において、「幼稚園における手遊び歌に関する実践的研究 : 『健康』『人間関係』『環境』『言葉』『表現』領域との関連」として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年にあたる令和2年度は、スイスにおいて資料収集を実施する予定であったが、COVID-19の影響により海外渡航を断念した。そのため、これまで収集した資料を用いて研究を進めざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、初年度に断念した海外調査を実施し、新たな資料を収集したいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究初年度である令和2年度は、スイス調査と研究資料の収集を実施する予定であったが、COVID-19の影響で海外渡航は自粛せざるを得ず、そのため残額が生じた。なお残額は、次年度以降の海外調査費に組み込む予定である。
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Research Products
(2 results)