2020 Fiscal Year Research-status Report
子どもの健康課題解決のための学校と専門職者等との連携・協働
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20K02801
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
釆女 智津江 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員教授 (30770903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十一 元三 京都大学, 医学研究科, 教授 (50303764)
綿井 雅康 十文字学園女子大学, 教育人文学部, 教授 (80240472)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 児童生徒のメンタルヘルス / 養護教諭 / SC / 連携協働 / 質問紙調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究活動は調査実施に向けた検討が中心となった。研究分担者および研究協力者との検討会議に即して実績をまとめた。この他にも、研究協力者を交えて調査項目の作成検討を行う作業部会を計5回、オンラインで実施した。 〇第1回検討会(7月8日、研究者7名参加、オンラインで実施) 検討内容:①研究調書に基づき、研究目的、研究の方向性の共通理解を図った。②「メンタルヘルスを中心に」を副題に加えることとした。③量的・質的の両面から調査することとした。④調査結果から、学校現場の実態を把握したうえで、効果的な連携を実現するために取り組むべき課題を明確することとなった。 〇第2回検討会(8月17日、研究者6名参加、オンラインで実施) 検討内容:①Web形式を採用した場合のモニター数と項目数、②質問項目のカテゴリーとして3領域-各専門職の役割、連携支援体制、メンタルヘルス問題の理解-で構成すること、③データの比較分析を行う上で、「連携がうまくいっているか」が分類基準になると想定し、その具体的な基準内容の検討(継続)、④量的・質的データの関連性について、⑤質的データ収集のための面接型調査に関する情報交換。 〇第3回検討会(8月24日、研究者3名参加、オンラインで実施) 検討内容:研究分担者が参加し、学校現場の実情を踏まえつつ、質問紙調査の具体的な質問項目、および、面接型調査における質問について検討した。 〇第4回検討会(10月28日、研究者3名参加、オンラインで実施) 検討内容:第3回の検討内容について、検討を行った。また、質問紙調査への回答を求める対象を、養護教諭、スクールカウンセラー、学校関係者、関係機関とする方向で検討を重ねることとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウイルスの世界的な流行(パンデミック)により社会情勢が一変し、日常の生活も大きく変化した。それに伴い研究環境も大きく変化しているのを実感している。そのため本研究の調査方法も変更を余儀なくされている状況である。日本で初めて新型コロナウイルスが確認されたのが2020年の1月15日、感染が広がりやすい児童生徒等は臨時休業(学校保健安全法)の処置が各都道府県や市町村の状況に応じて2月~6月末頃まで全国的にとられるなど年度当初から児童生徒への素早い対応がとられたが、児童生徒等の家での過ごし方については社会問題ともなった。児童生徒のメンタルヘルスを対象としている我々の研究は厳しい状況に置かれた。学校や医療機関等などを対象にした調査は回答が得られない可能性、それだけのゆとりが学校現場にあるか憂慮すべき状況があることと、重きを置いていたインタビュー調査(聞き取り調査)も感染のリスクを回避するのは諸条件がそろわないと非常に困難な状況であり、しばらくは自粛せざるを得なかった。そのため当初の研究計画を見直せざるを得なくなった。これらのことが研究にやや遅れが生じた理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、前年度に準備を進めてきた調査を実施する予定である。本研究課題の主目的に即して、「児童生徒のメンタルヘルスに関する課題解決にむけた学校と専門職者等との連携協働」について、関係教職員ならびに専門職の意識と実態を、数量的データおよび質的データの側面から解明することを目指す。 数量的データを収集するための質問紙調査については、6月上旬までに、質問項目を確定し、調査の実施方法(郵送法またはWEB利用のいずれか)、回答の保管・集計方法、目的に即した分析方法を、研究分担者および研究協力者と協議して確定させる。その上で、順天堂大学・倫理審査委員会に申請する。同委員会の承諾を得たのちに調査を実施する予定である。なお、本調査の対象は、養護教諭、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW),教職員(校長を含む)を予定している。 質的データを収集する面接型調査を10月以降に実施する予定である。面接型調査は、質問紙調査で収集されるデータを補完する情報を収集することが目的である。半構造化型の面接型調査を実施する予定である。対象は養護教諭、スクールカウンセラー(SC)、スクールソーシャルワーカー(SSW),教職員(校長を含む)、関係機関を予定している。実施方法は新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、オンラインで実施し、統計分析を行う。
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Causes of Carryover |
研究メンバーの打ち合わせ会議(研究協力者を含めて7名)も感染のリスクを抑えるためZoom会議(作業部会も併せて10回程度)で対応したため旅費等を償却する必要がなくなったことなどにより、2020年度の予算に未使用額が生じたものである。 次年度に新型コロナウイルスが収束した際は、未使用額を研究メンバーの打ち合わせ会議のための旅費等に使用する予定である。
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