2020 Fiscal Year Research-status Report
Society 5.0に向けて学校運営で朝鑑賞に取り組む効果測定とシステム開発
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20K02804
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
三澤 一実 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10348196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東良 雅人 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (70619840)
米徳 信一 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (80240381)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 朝鑑賞 / 対話 / 開かれた教育課程 / 継続的取り組み |
Outline of Annual Research Achievements |
朝鑑賞の効果測定に関しては、研究当初から5年間にわたり継続して取り組んでいる三ヶ島中学校の教員からインタビューによる聞き取り調査を行った。内訳は管理職1名、3年以上の経験教員3名、2年経験2名、1年経験1名である。聞き取りにより、現時点で一般の教員が鑑賞をファシリテーションするスキルを身に付けるまでの期間がおおよそ見えてきた。この問題は朝鑑賞を学校に定着させるための重要なポイントとなると共に、スキル獲得のための研修の在り方を考えていく必要性を明らかにさせた。更にインタビュー書き起こしを通して考察を深め朝鑑賞の継続のための課題を考えていく。 システム開発に関しては、貸出作品のデジタル化に取り組み、画像の撮影、データ化を行った。そしてそのデータを印刷しA1サイズのパネルとして作成し貸し出した。このデジタル化に関しては、今後各学校においてICTの活用が進むことを考え、全国で取り組める汎用的なシステムとして展開できると考える。1年間で約40作品のデジタル化を行ったが、100点を目処に進めていきたい。 鑑賞方法の実験では、オリヒメロボットを活用した対話型鑑賞の取り組みを行い、コロナウイルス感染予防や物理的交流が難しい状況下で、オンラインを使って対話を生み出す鑑賞活動の充実を考える機会になった。 朝鑑賞の取り組み校に関しては新たに実施校が2校増えた。この2校については学校の実態に応じた展開をお願いし、引き続き作品貸し出しなどサポートをしていく。現時点で展開している学校は7校となったがそのなかで長年取り組んできた所沢三ヶ島中学校では朝鑑賞の継続を断念する事態が起きた。その原因を今後明らかにしていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている理由として、コロナウイルス感染症による社会活動の停滞が挙げられる。実施校への視察や協議が行えなかったと共に、実施協力校においても登校禁止期間や、声を出しての対話の機会が制限され、当初想定していた研究活動が十分に展開できなかった。また実験協力校の追加にも影響が出ている。 一方で、オンラインを使った取り組みの実験など、当初想定していなかった朝鑑賞の取り組みにもつながることがあり、society5.0時代を踏まえた研究として新しい視点を得ることができた。 鑑賞作品のデジタル化、及びパネル出力、貸出については十分活用できることが明らかになったので今後増やしていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
朝鑑賞に使用する貸出作品のデジタル化とデータ活用のためのシステム作りを展開していく必要がある。このことは作品の貸し出しができない学校に対して、オンラインで作品鑑賞を進めていく取り組みにもつながり、広く普及できるシステムとなっていく。その際、作品の貸し出しデータベースの構築と貸し出し情報の提示が必要となるが、オンライン上でそのサイトをどのように構築するか方法を考えていく必要がある。 朝鑑賞の効果測定に関しては引き続き実施校でのインタビューをおこなうと共に、集めたインタビューの考察を進めていく。 新規実践協力校の開拓や台湾国家教育研究院との情報交換に関しては、コロナウイルス感染症の状況に応じて判断していく。
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Research Products
(2 results)