2022 Fiscal Year Research-status Report
Society 5.0に向けて学校運営で朝鑑賞に取り組む効果測定とシステム開発
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20K02804
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
三澤 一実 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10348196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東良 雅人 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター研究開発部, 教育課程調査官 (70619840) [Withdrawn]
米徳 信一 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (80240381)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 学力向上 / 主体的対話的な深い学び / ファシリテーション / メタ認知 / 自己肯定感 / 朝鑑賞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はデジタル朝鑑賞のコンテンツ作りに取り組み、パイロット版としてグーグルフォトを使った作品集を作成した。朝鑑賞を行うための作品を募集し、集まった30点をデジタルカメラで撮影しデジタル版の作品集に収めた。そして希望する学校等にURLを伝えリンクを張った。このことにより、リンク先の学校が使いたい作品画像を、使いたい時に使用できるシステム開発をした。リンクを張った学校及び機関は60件になった。 朝鑑賞の効果測定では実施校にインタビューを行った。現場教員の率直な感想から朝鑑賞が効果的であることを伝える動画を作成した。そしてこの動画を埼玉県の教頭会で流すなど、多くの学校での周知を図った。その中で、鳥取県で全県導入に前向きに取り組みたいという県議会答弁や長野県で美術館を中心にした鑑賞として全県に広げる動きがでてきた。インタビューは中学校2校、小学校1校でおこなった。またインタビューを分析して朝鑑賞の取り組みの課題と可能性を検討できた。この様に実施校のヒヤリングも出来るようになり、成果報告に向けて資料集めが出来るようになってきたが、まだ十分と言えない状況である。 また、朝鑑賞(対話鑑賞)の取り組みは、ヨーロッパ圏における日本語学習として有効であるとの報告を受けて、作品鑑賞における日本語獲得能力の向上という効果もあることが発見できた。この発見はヨーロッパ圏を中心とする日本語教育の教員対象のオンライン講演を通して、希望する学校と行ったワークショップを通して見えてきたものである。今後の研究課題としても加えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
システム開発については大むね順調であるが、効果測定については実施校のインタビュ-等を増やし説得力を増していきたい。 作品確保についてはまだ十分とは言えない状況であるが引き続き確保に努力するとともに、美術館との連携を深めながらの作品データ提供にもつなげていきたい。 研究を進めていく中で、海外の日本語学校から日本語の獲得能力に貢献する効果を聞いた。この点に関しても具体的な検証プログラムを開発していきたい。 学校への導入に関しては、鳥取県や長野県が前向きに検討し取り組み始めた。今後連携して取り組み状況を把握するとともにサポートしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度最終年度として誰もが見ることのできる作品データを公開していく。 朝鑑賞の取り組み校を増やし、効果測定のためのデータを増やしていく。そのために教育委員会や関連機関に対してのアプローチを更に充実させていく、そのために動画作成を行い配信するなど普及に努めていく。 日本語教育における言語能力獲得の効果測定に関しては、どの様なプログラムが適切なのか、いくつかのワークショップなどを行い、検討していく。 鑑賞作品については引き続き作品を募集し作品データ数を増やしていく。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の拡大に伴い、研究活動の停滞が生じ、予定した活動が出来なかった。 研究最終年度としてHP作成など成果物を残すとともに、まだ不十分なリサーチ等成果検証に必要なデータを集めるための交通費等とする。
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Research Products
(3 results)