2021 Fiscal Year Research-status Report
総合的な学習の時間の指導力向上及び実践研究力の育成に関する研究
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20K02816
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
宇佐見 香代 埼玉大学, 教育学部, 教授 (20294275)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 総合的な学習の時間 / 指導力向上 / カリキュラム・マネジメントの力量形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年必修化され開講される教職科目のうち「総合的な学習の時間」に関する指導法の充実に資する内容を提言するために、この領域の学校現場での実践研究の成果やあり方に焦点化して調査研究を行うものである。「総合的な学習の時間」の優れた実践を生み出す教師の指導力・指導性の在り様を明らかにし、この研究の成果をこれからの教員養成・教師教育の現場で活用していくことを目的としている。さらに、本調査・分析の進展によって得られた「総合的な学習の時間」指導に関する知見を、大学での教員養成・教師教育の実践指導力及び実践研究力育成の成果を現場へ還元するプロセスも含めて検証することにした。 具体的には、埼玉大学教育学部で研究代表者が担当・実施している教師教育論、「総合的な学習の時間」の指導法および総合的な学習に関連する専門科目において、上記の検討で明らかになった知見を教材化・カリキュラム化して実施し、その評価・分析を行った。さらに、設置5年目を迎える教職大学院における科目担当のなかで、現職教員の「総合的な学習の時間」のカリキュラム開発やマネジメントの体験から、その課題意識に基づく研究活動を支援した。 ここから、この領域の教師の実践的力量形成だけでなく実践研究能力の育成をどう図るのかについても検討を進めようとした。上記の過程を通じて、生活科及び総合的な学習の理念を実現する指導法の改善・カリキュラム開発を担う教師の力量形成に関する分析考察を行い、それに基づいた教員養成・教師教育の場における改善点の提示及び教員養成の在り方・実践研究力の育成に資する提言の構築をめざした。 外部機関の中学校の総合的な学習の実践の課題についてインタビューをうけ、本研究で得られた知見の一端をここで伝えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度にひきづつき、新型コロナウイルス感染防止のための自粛により、計画していた学校園へのフィールドワークにでかけることができなかった。総合的な学習の時間についての実践事例の収集についてはフィールドワークの方法をとることは難しかった。オンラインの授業公開に参加して、情報収集にはつとめた。
勤務校における教員養成や教師教育の実践は、遠隔授業の実施のために受講生に十分なディスカッションや発表準備の支援ができていなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年に中教審より提示された答申「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す,個別最適な学びと,協働的な学びの実現~」は、本研究申請時にはまだなかったものの、本研究においても総合的な学習の時間における授業改善の視点として取り入れることとした。
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Causes of Carryover |
昨年度同様、新型コロナウイルス感染防止のための自粛により、フィールドワークによる調査活動ができなかった。そのための旅費や物件費などの使用ができず、調査活動の対象になる学校と協議して、授業実践の記録などが進むようであれば、そのための機器の購入に充てたものの、十分なデータの収集はできなかった。 次年度、引き続き授業記録や授業参観のための経費としての計画的な執行をすすめたい。
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