2021 Fiscal Year Research-status Report
夜間中学における多様な生徒集団がもたらす教育効果の普遍化に向けた学際的研究
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20K02821
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Research Institution | Kyoto Human Rights Research Institute |
Principal Investigator |
岡田 敏之 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 嘱託研究員 (50791331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野山 広 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 准教授 (40392542)
岩槻 知也 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (60263191)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 夜間中学 / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、夜間中学における多様な生徒集団がもたらす協調原理を解明し、それが現代の喫緊の教育課題であるいじめ問題や不登校支援のあり方にどのような効果を及ぼすのかを追究することにある。また、その教育効果を検証することにより、公立夜間中学校の新設または増設がなかなか進まない各地方自治体に対し、夜間中学の教育効果と必要性を訴え、その新設及び増設を促すことにある。 今年度の研究実績としては、昨年度同様、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、アンケートや聴き取り内容に関するフィールドワークはほとんどできなかったが(一部、岡山自主夜間中学において聴き取りは行えた)、その教育効果の仮説を立てることにより、香川県三豊市をはじめ、札幌市や静岡県の夜間中学設立に向けての支援を行うことができた(三豊市と札幌市は2022年4月に、静岡県は2023年4月にそれぞれ公立夜間中学を開校する)。また、『CONFINTEA Ⅶ(ユネスコ第7回国際成人教育会議)に向けたナショナルミーティング』の全体シンポジウムにおいて、夜間中学をアップデートしたオルタナティブ校のあり方を提案し、それを一般校に普遍化することにより、いじめ問題や不登校の減少につながる可能性にも言及した。 三豊市の夜間中学校については、不登校の学齢期生徒が夜間中学生と交流して学ぶことができるよう不登校特例校の申請に関しても支援を行い、今後も本研究における仮説の具現化に向けた支援を続けていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今後予定している公立夜間中学校へのアンケート内容または聴き取りフォーマットの概略はできているが、さらに精査するためには、ダイバーシティー教育やイエナプラン等多様な子どもたちの学びの場を提供している学校の視察を行う必要性を感じている。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、視察の受け入れが困難であったため、研究全体に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度については、ダイバーシティー教育やイエナプラン等多様な子どもたちの学びの場を提供している学校、既存の公立夜間中学校や自主夜間中学への視察を積極的に行い、アンケート内容または聴き取りフォーマットの精査を行うとともに、視察先の映像データの収集も行なっていきたい。 さらに、その映像データ等を編集し活用することにより、さらになる公立夜間中学校の増設に役立てていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、旅費を計画通りに使用することができなかったため。つまり、フィールドワークが計画通りに実施できなかったことにより、研究全体に遅れが生じ、資料の整理や映像編集のための機材等の購入が必要でなかったため。
使用計画:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況も伺いながらにはなるが、積極的にフィールドワークを行う。また、それによって収集した資料の整理や映像の編集に必要な機材も購入する予定である。
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Research Products
(6 results)