2020 Fiscal Year Research-status Report
非正規雇用教員の現状・実態把握と資質・力量育成に関する総合的研究
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20K02832
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Research Institution | Kyoei University |
Principal Investigator |
和井田 節子 共栄大学, 教育学部, 教授 (30510804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 英典 都留文科大学, その他部局等, 学長 (30109235)
山田 真紀 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (30329643)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非正規雇用教員 / 職能開発 / 教師教育 / 臨時的任用教員 / 会計年度任用職員 / 再任用教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.非正規雇用教員(以下、非正規教員と略記)の歴史等位置づけの整理:書籍・先行研究等の検討を行い、継続中。 2. 現状把握現状把握にかかわる調査。 ①現状の全国の傾向の把握:非正規教員が全教員に占める割合:公表されていなため、文科省に問い合わせた結果、2019年5月時点での臨時的任用教員(臨任教員と略)の割合は全国平均で7.6%であること、沖縄の15.9%から名古屋市の1.9%まで、地域差が大きいことがわかった。しかし、全国平均の正規教員92.9%の中に再任用教員も産休育休代替教員を含まれているため、正規教員の割合は厳密にはもっと少ないと推察された。これらの正確な数は、各自治体に問い合わせるしかないことが明らかになったが、2020年はコロナ禍による休校等の学校の混乱の時期だったため、調査に協力してもらうことができなかった。教職員組合などにも問い合わせながら、ひきつづき情報を集めている。 ②非正規教員の意識調査:全国の非正規教員にむけたオンライン質問紙調査を行い、123人から回答を得た。内訳は、非常勤講師(会計年度任用職員)7人、臨任70人、産休代替27人、再任用19人であった。仕事の継続の保証がない不安や、勤務時間が決まっている場合の情報共有時間不足、職能開発の機会が少ないことが共通の課題としてあげられていた。 ③インタビュー調査:自治体の教育委員会・校長・非正規教員当事者・非正規教員を経験して正規教員になった人・ 教職員組合・台湾とオーストラリアの非正規教員を対象に調査を行った。これは継続する予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、新型コロナウィルス感染症による緊急事態宣言と休校措置、大学の閉鎖等により多くの影響を受けた。特に、インタビュー調査、対面による会議等さまざまな調査に制限がかけられ、計画の変更を余儀なくされた。 全国の非正規雇用教員の実態に関連する調査の一環として、非正規雇用教員の人数の推移や会計年度任用職員制度が導入されることに伴う変化を調べる予定であった。しかし、2020年2月に全国の市区町村の教育委員会を対象に実態調査のアンケートを行ったが、新型コロナウィルスによる休校への対応に忙しく、ほとんど回答してもらえなかった。文科省に問い合わせたが、正確な人数を集計しているわけではないこと、再任用教員は正規雇用教員として集計していることもあり、人数の回答を得ることはできなかった。自治体によっても状況が異なることがわかり、いくつかの自治体への情報公開請求を試みている状況である。それに伴い、全国の教員や当事者への大規模調査も翌年以降に持ち越されている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 本課題の歴史的、文化的、社会的背景の調査の継続 2. 現状把握のための調査の継続 (インタビュー、質問紙調査等) 3. 研究成果の中間公表 (学会、公開研究会等)
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる緊急事態宣言等により、会議等がすべてオンラインになったり、学会等が不開催になったり、調査で直接訪問したりすることが難しくなり、旅費は支出されていない。また、同様の理由で全国調査が不可能になり、HP制作とともに実施が翌年に繰り越された。
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