2021 Fiscal Year Research-status Report
非正規雇用教員の現状・実態把握と資質・力量育成に関する総合的研究
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20K02832
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Research Institution | Kyoei University |
Principal Investigator |
和井田 節子 共栄大学, 教育学部, 教授 (30510804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 英典 都留文科大学, その他部局等, 学長 (30109235)
山田 真紀 椙山女学園大学, 教育学部, 教授 (30329643)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非正規雇用教員 / 再任用教育 / 職能開発 / 教師教育 / 常勤講師 / 非常勤講師 / 再任用教員 / 会計年度任用教員 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.非正規雇用教員(以下、非正規教員と略記)の先行研究と歴史等位置づけの整理を行い、公表した。 2.非正規教員の現状調査を行った。(1)量的調査 :Web調査:2022年1月に、調査会社に依頼したWeb調査(有効回答数2166件)に、独自Web調査(72件)を加えた2,238件の大規模調査を行った。結果の分析・検討は、2022年度に持ち越された。(2)質的調査 :1) 国内インタビュー調査対象者:校長・常勤講師・非常勤講師・再任用常勤・再任用時短。インタビューで語られた主な課題は以下であった。校長:非常勤講師が単年度任用であるため教員の産休・病休等の際の欠員補充のための人材捜しに常追われている。若い常勤講師:力量不足への不安や、日々の業務に追われて採用試験に合格できないこと。ベテラン常勤講師:賃金の激減。特に非正規常勤・時短教員が、専門性をもつ教師としての誇りをもてるための環境や待遇の改善が必要なことが示唆された。 2) オーストラリアにおける非正規教員インタビュー調査対象者:保育士・小学校教員。専門職として扱われ、研修によるステップアップの制度もあった。 3.非正規教員に関する行政制度について調査した。(1)自治体HPより、非正規教員の待遇等を自治体ごとに整理した。2020年度から会計年度任用教員制度が導入されたが、給料も待遇も自治体によって差があることが確認された。 (2)自治体教育委員会調査を行った。質問紙を送って、非正規教員の人数や待遇に関する調査を依頼。結果、ほとんど回答してもらえなかった。人事担当者数人からインタビューは受けた。多くの自治体は、非正規教員を登録してマッチングを図る部署があったが、それだけでは教員不足が従属できない状況であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度である2020年度が新型コロナ対応のため研究に遅れが生じた。2020年度前半は新型コロナウィルス感染拡大予防のため大学が封鎖され、全国的にも同様の状態となった。そのため大学での研究や全国的な調査が困難になり、オンラインによる研究と調査の体制を整え、これまでの調査結果の分析と予備調査しかできなかった。2021年度は、予備調査をもとにした分析と大規模な量的調査を実行したが、計画には未だ遅れをとっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、1月に行った大規模調査結果をもとに、多様な非正規教員の分類と分析を行い、非正規教員に合った力量育成システムの開発を試みる。 研究協力者として、菊地原守(名古屋大学大学院生)を迎え、体制強化を図る。 これまで蓄積してきた研究結果をHP等を通して公表し、学校現場との双方向の交流を試みる。また、制度改善の可能性をさぐるために、海外の非正規教員の現状および育成システムの調査を継続する。 新型コロナ対策で遅れた研究計画を完遂するために、研究期間を2023年度までの1年間延期する予定である。
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Causes of Carryover |
研究初年度の新型コロナ対策による研究の遅れが原因である。2020年度前半は新型コロナウィルス感染拡大予防のため大学が封鎖され、全国的にも同様の状態となった。そのため大学での研究や全国的な調査が困難になり、オンラインによる研究と調査の体制を整え、それまでの調査結果の分析と予備調査しかできなかった。 2021年度は、予備調査をもとにした分析と大規模な量的調査を実行したが、研究が遅れたため、分析と追加の質的調査に予定していた研究費が次年度に持ち越された。 2022年度は、量的調査の分析とそれを深めるための追加の質的調査を行うとともに、その結果や研究課題の解決にむけた提案等を行い、その成果を公表するためのHP開設等の費用に充てる予定である。
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