2020 Fiscal Year Research-status Report
高校で行う早期離職予防のための「キャリア選択における納得感」支援プログラムの開発
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20K02837
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大谷 哲弘 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (00783911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 浩 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30629671)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高校生 / 就職 / キャリア選択における納得方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,就職を希望する高校生が「キャリア選択における納得方略」を形成するプロセスを明らかにし(研究1),教員ができる納得方略の支援方法を開発し(研究2),その効果を検証すること(研究3)を目的とする。 2020年度は,研究1の遂行を予定していたが,コロナ禍の影響を受け,予定していたインタビュー調査は2名にとどまり,実績を挙げられる調査を遂行することができなかった。今年度は,2018年度までに行った調査を再検討し,これまでとは違う視点で変数の見直しをはかった。まず,従属変数を高校在籍時のデータでは,「キャリア選択における納得感(「意義」と「見通し」の2因子構造)」としたパス解析を行った。その結果,「見通し」から「意義」のパスと「意義」から「見通し」のパスのモデルが考えられた。どちらの適合度指標も,GFI=.976,AGFI=.938,NFI=.966,CFI=.969,RMSEA=.082,AIC=200.253であった。適合度の当てはまりは良好であるが,2つのモデルの数値が全く変わらないため,どちらのモデルを採用するか課題として残った。また,これまでは,「キャリア選択における納得感」という潜在変数を想定していた。しかし,「意義」と「見通し」の2因子で想定することが適合度も良好であることから,インタビュー調査においても,それぞれについて確認することが重要であることが示唆された。次に,就職1年目の「離職意思」としたパス解析をおこなった。その結果,「意義」から「見通し」を媒介し「離職意思」に至るモデルが考えられた。適合度は,NFI=.993,CFI=.999,RMSEA=.025で,当てはまりも良好であった。 以上のことから,調査におけるインタビューガイドに変更はなしで問題ないと判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は,学校長の許可のもと,研究協力を得られた就職希望者2名(関西1校)に対して,就職「キャリア選択における納得方略」について,インタビューを行った。 一方,コロナ禍の影響を受け,承諾の得られていた東北2校,関東2校,関西1校でのインタビュー調査は2021年度へ延期となった。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍の収束を待って,就職希望者を対象に,承諾の得られている東北2校,関東2校,関西2校でのインタビュー調査を行う。また,インタビューイーの数が妥当かどうかを検討しながら,インタビューイーのリクルートを進めていく。 生徒対象のインタビューと並行して,教員が実施可能な支援プログラムを開発できるように,教員を対象としたインタビュー調査を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響を受け、インタビュー調査が延期となったため、その旅費が2021年度使用額として生じた。 2021年度、インタビュー調査を遂行するための旅費として計上するものである。
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