2021 Fiscal Year Research-status Report
高校で行う早期離職予防のための「キャリア選択における納得感」支援プログラムの開発
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20K02837
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大谷 哲弘 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (00783911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 浩 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30629671)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | キャリア選択における納得方略 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,就職を希望する高校生が「キャリア選択における納得方略」を形成するプロセスを明らかにし(研究1),教員ができる納得方略の支援方法を開発し(研究2),その効果を検証すること(研究3)を目的とする。 2021年度は,コロナ禍の影響により遅れていた研究1を遂行した。生徒7名へ〔意義方略〕についてインタビューを行った。その結果,内的なものと外的なものとの距離が徐々に縮まる過程で意義を見出す者と,外的なもの(例:職場見学およびその中での説明など)をきっかけとして意義が明確になる者とが存在した。前者は意義を見出すきっかけに関する明確な語りはなかった。前者の生徒はキャリア選択に対する熟考を徐々に行い,自己の選択や判断を受け容れていく。心理臨床では,熟考したクライアントは自身による考えによる変化だと認識し,セラピストによる支援として認識していないことが指摘されている(山本・大谷, 2022)。このことを踏まえると,熟考を徐々に行った生徒は,教員,親などの支援は,時間をかけて自分の考えになじませるため,あたかも自分の理解のごとく意義が語られていることが推察された。一方,職場見学での説明は,就職試験の直前のため,自分の考えになじませる時間がないため,外的のものをきっかけとした語りになっていることがうかがえた。 また,教員7名へ「教員による生徒の就活支援プロセス」をテーマにインタビュー調査を行った。その結果,就活期は,教員の年代や性格による3年間の「担任期」とは異なる支援方略(対話的方略)が必要になることが見い出された。今後は,教員の対話的方略について詳細な検討を行っていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は,学校長の許可のもと,研究協力を得られた就職希望者7名に対して,就職「キャリア選択における納得方略」について,インタビューを行った。一方,コロナ禍の影響を受け,承諾の得られていた関東1校,関西1校でのインタビュー調査は延期となった。インタビューイーの数が十分でないため,2022年度に追加の調査を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
就職希望者を対象に,承諾の得られている関東1校,関西1校でのインタビュー調査を行う。また,生徒対象のインタビューと並行して,教員が実施可能な支援プログラムを開発できるように,教員を対象としたインタビュー調査を追加実施する。
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Causes of Carryover |
就職決定後という時期のしばりがあり,コロナが増加した時期と重なり,計画通りにインタビュー調査ができなかったため。2022年度は,オンラインによるインタビュー調査も検討し,調査を当該年度中に終了できるように対象校と調整を行う。
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