2023 Fiscal Year Annual Research Report
高校で行う早期離職予防のための「キャリア選択における納得感」支援プログラムの開発
Project/Area Number |
20K02837
|
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大谷 哲弘 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (00783911)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 浩 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30629671)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | キャリア選択における納得方略 / 高校生 / 就職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,就職を希望する高校生が「キャリア選択における納得方略」を形成するプロセスを明らかにし(研究1),教員ができる納得方略の支援方法を開発し(研究2),その効果を検証すること(研究3)を目的とする。 2023年度は,研究3について,協力の得られたA高等学校において効果検証を行った。A高等学校の就職を希望する高校3年生87人を対象に, キャリア選択における納得を構成する「意義」・「見通し」およびキャリア選択における内的-外的の熟考(以下:「内的-外的の熟考」)について,6月と8月の2回の調査を実施した。1回目と2回目の各尺度得点の合計がいずれも平均以下の者を抽出したところ7人であった。 2020年度の研究で「内的-外的の熟考」により具体的な選択肢が絞られ,受験する企業を決心あるいは,就職先が決定したときに本心を充足するために「意義」と「見通し」を見出して受け容れていること,2021年度の研究で,教員の支援方略として,生徒の「意義」・「見通し」について実現可能性を検討する「対話的方略」が必要になることが見出されていた。これらを踏まえ,教員の進路指導において,「内的-外的の熟考」および「意義」と「見通し」の実現可能性に関して,「対話的方略」を用いて就職希望者のキャリア選択における納得感の構築を促した。12月の調査において,7人のうち6人の「意義」・「見通し」および「内的-外的の熟考」の各尺度得点の合計が1SD以上の上昇が明らかになった。一方,得点の上昇が認められなかった1人について,担任は「いや,なかなかやっぱりそこまで。それもこだわりなのか,自分はそれでいけるかなと思っていたのかな。」と生徒の認知的な特性について指摘した。今後は,生徒の認知な特性に応じた「対話的方略」によるキャリア選択における納得感の構築への支援を検討することが課題として残った。
|