2022 Fiscal Year Research-status Report
A construction of general acessment index of for natural disaster lerning in elementary and junior high schools' science
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20K02840
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 武広 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 名誉教授 (50116646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯崎 哲夫 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90243534)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 防災 / 自然災害 / 評価 / 小学校 / 中学校 / 理科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題初年度にあたる令和(R)2年度より計画していた海外渡航調査及び研究者の招聘は新型コロナ感染対応のためR3年度に続きR4年度も実施困難であった。一方,国内においては小中学校における連携授業を通した実践的検討は完全ではないが可能となった。 従ってR4年度は研究代表者の林が広島県内の小学校6校において主に流水が関わる災害(土石流,津波,洪水等)を扱う連携授業を対面で実施し,その授業での児童・生徒の防災認識変容に関する自由記述でアンケートを行った(回答は647名)。アンケートは2種類を用意し,6校のうち5校でR3年度と同様の質問内容,残り1校では下記のルーブリック活用を考慮し,新たな質問を加えたものとした。 本課題のテーマである理科の授業を通した自然災害関連学習における評価指標の検討を進めるため評価用のルーブリックを試作した。上記アンケート回答を参考に研究代表者,分担者で検討を重ね修正を行なった。 分担者の磯﨑は研究協力者の広島大学大学院博士課程後期(現職高校教師)の中西裕也氏,研究代表者の林と共に高校理科・地学基礎において文脈を基盤としたアプローチを用い科学的根拠を基盤とした考察や意思決定,実生活との関連を重視した防災学習の意義を強調する中で,興味・関心の向上と動機づけを意図した単元を構成し,上記の科目で授業実践を試みた。その概要を2022 年7月開催の2022 International Conference of East-Asian Association for Science Education(Deagu,Korea)で口頭発表した後,さらに詳細な検討を加えて2022年11月に日本教科教育学会誌に論文投稿した(受理済,R5年6月発行予定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染防止対応の影響で, 一昨年度,昨年度は小中学校での調査活動が十分に実施できていない。今年度は防止対応がかなり緩和されたので本格的に活動を再開したが,これまでの遅れをカバーできるまでには至っていない。また,その影響で予定していた海外(インドネシア)に出向いて現地の学校での調査及び海外の研究者を招聘した研究協議,意見交換等の活動が困難な状況であり,R4年度内には実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間延長が承認されたR5年度には少なくともインドネシアの研究者を招聘し,児童・生徒の防災意識を高める方略と達成評価方法を協議するための準備は整えている。現地の研究者(教師)に上記のルーブリックの活用を要請し,その結果を携えての招聘を実施し,研究協議を行いたいと考えている。R5年度はこれまでの研究で未解明の事項を基にした小学校での授業実践研究を行う。また中学校理科では実践的な検討が十分でないため,広島県内の3から4校で防災関連の連携授業を行い防災認識を高める上で効果的な授業と評価のあり方の検討していく。 R2からR4年度に研究代表者の林が小中学校に出向いて行った連携授業後の児童・生徒からの自由記述アンケート,中学生へのアンケートで「災害に対してどう行動するか」,「災害にどう向き合うか」の質問回答についてデータ入力は既に完了しており,現在,計量テキスト解析を進めているところである。また,これらのアンケート回答を対象に今回試作したルーブリックを用いた評価を試みる。この試みでは,研究代表者の林,分担者の磯﨑を初め,複数の小学校教員経験者に協力を依頼しており,評価の妥当性を高めるため評価者間で協議を行う。これらの結果を基に防災認識を高める授業とその評価のあり方を検討し成果を今年度の学会で発表する予定としている(口頭,または論文)。
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Causes of Carryover |
理由:コロナウィルス感染対応の影響によって海外(インドネシア)に渡航しての現地調査活動及び海外からの研究者の招聘が実施できなかったため。
使用計画:本年度の夏季から秋季の期間にインドネシアの研究者を招聘して本課題の目的である小学校、中学校理科における防災学習の評価のあり方を協議する。そのための招聘旅費を負担する予定である。さらに研究代表者または分担者の磯崎がインドネシア、バンジャラヌガラ県に出向き、当地の学校で行われている防災学習の授業参観等の現地調査及び当地の研究者、現場教師等との研究協議を行う出張旅費を支出予定である。その他、防災教育に関する国内外の防災教育史,授業実践,教育評価に関わる試・資料購入も予定。
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Research Products
(5 results)