2020 Fiscal Year Research-status Report
算数・数学科の教科特性を踏まえた教職課程コアカリキュラムの研究・開発
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20K02843
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
佐々 祐之 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30315387)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 教職課程コアカリキュラム / 教科特性 / 非認知的能力 / 教員養成カリキュラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的である,算数・数学科の教科特性およびその指導に関わる非認知的特性に着目した教職課程コアカリキュラムの開発のために,本年度は,各種資料収集と,教員養成カリキュラムとして先進的な取り組みを行っている教員養成大学,関係機関への聞き取り等を予定していた。しかし,新型コロナウィルス感染症の影響もあり,北海道外への聞き取り調査等は実施できなかった。そのため,教員養成コアカリキュラムに関する資料収集と非認知的能力に係る先行研究等の整理が,今年度の主な研究成果となった。 教員養成コアカリキュラムに関しては,平成29年11月に文部科学省から示された教員養成コアカリキュラムについて,その背景,教科の指導法に関する科目のコアカリキュラムを精査し,本学の教員養成カリキュラムとの整合性を検討した。また,本学の教職大学院の改組のためにこれまで検討してきた“教員養成学”という考え方に照らして,大学院レベルの教員養成コアカリキュラムの必要性について検討した。 非認知的能力の特性に関しては,これまで非認知的スキルの特性5因子(OCEAN:経験の開放性(O),勤勉性(C),外向性(E),協調性(A),情緒安定性(N))を用いた評価尺度の開発を行ってきていたが,社会情動的スキル(SECQ)のほうが本研究の趣旨に整合的であるという見地から,理論的基盤を変更し,教員養成カリキュラムの考察基盤とすることとした。 今年度の主な取り組みが先行研究の整理であったため,研究成果として示すことができたものは少ないが,“教員養成学”を基盤とした教職大学院のカリキュラムの検討に関しては,これまでの成果をまとめ,日本教育大学協会の研究集会に発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,先行研究等の精査と合わせて,教員養成カリキュラムに関して先進的な取り組みを行っている教員養成大学・学部への聞き取り調査を予定していたが,新型コロナウィルス感染症の感染拡大を受けて,北海道外への調査を実施することができなかった。 令和3年度は,可能な限り,視察・調査を行いたいと考えているが,状況によっては,リモートによる調査等も検討し,教員養成カリキュラムに関する調査を実施する段階まで研究を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
他大学における教員養成カリキュラムの調査が遅れているため,リモートによる調査も含めて調査方法を再検討し,情報収集を急ぎたい。また,非認知的能力に関する理論的基盤も,一部変更したため,新しい理論基盤による教員養成カリキュラムの検討を行う必要がある。令和3年度においては,調査による他大学の教員養成カリキュラムの情報収集,および教員養成カリキュラムと非認知的能力の関係に関する理論枠組みの構築を行い,教科特性を考慮した教職課程コアカリキュラムの開発の基盤を形成したい。
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Causes of Carryover |
令和2年度は,調査旅費として650,000円を予定していたが,新型コロナウィルス感染症により北海道外への調査及び研究発表旅費が支出できなかったため,次年度使用額が生じている。これらの調査,研究発表旅費については,令和3年度に実施する調査,研究発表のためにを支出予定である。
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Research Products
(4 results)