2022 Fiscal Year Research-status Report
幼児の音楽的モチベーションを高める表現遊び指導法の開発
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20K02849
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
水崎 誠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50374749)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼児 / モチベーション / 音楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,研究3年次として,協力幼稚園での研究をすすめた。 第1の研究として,4歳児の保育場面(自由遊び場面)において,幼児がどのように楽器にかかわり表現をしているのかを観察した。その際,幼児間の音・音楽のかかわりに着目した。観察の結果,幼児達は個々に独立して表現しているのではなく,かかわりながら,まるでセッションをしていると考察できた。このようなかかわりを豊かにするものとして,コーナーにおけるBGMがある。幼児達はBGMをよく聴いて,曲ごとに合わせて,表現をおこなっていた。したがって,このBGMの選定は,音楽的環境を考えるうえで重要なものと示唆された。またBGMが幼児の音楽的モチベーション生成に影響するとも示唆された。 第2の研究として,5歳児クラスにおいて,幼児にとって未知の楽器(ブームワッカー)を提示し,どのようにかかわり,表現が生まれるのかを観察した。3つのグループを作成し,そこに1オクターブ8本のブームワッカーを提示した。幼児達は,「これ(楽器)で何ができるのか」の問いに向けて,各グループで取り組みをはじめた。3つのうち1つのグループに絞って,そのかかわりのプロセスを検討した。幼児達はまず外見・形状に着目したが,その後すぐに,音が鳴ること,音が違うこと,音階になっていることに気付いていった。音が違うことは,複数人でそれぞれ鳴らすことで,見い出した。音階での表現は,順番に鳴らすだけでなく,等拍で鳴らすことにもこだわり,何度も試行した。新しく面白い楽器との出会い,他者と奏でること,これらが幼児の音楽的モチベーションを高めていると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大により,幼稚園等のフィールド調査がやっと開始できた。昨年度に比べると格段に研究は進んでいるが,全体計画としては「やや遅れている」となる。
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Strategy for Future Research Activity |
収集したデータを,分析して,学会等で発表し,論文にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度にあっては,まだコロナ禍ということもあり,海外・国内における学会がオンラインであり,支出が少なくなった。なお2023年度にあっては,基本的に原則対面学会であり,旅費等において支出する予定である。また基本文献(専門的な洋書であり1冊あたりが高い)についても揃える予定である。
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