2023 Fiscal Year Research-status Report
協調的な批判的思考に対人関係スキルが及ぼす影響の検討
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20K02851
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
石川 真 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (60318813)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 対人関係スキル / 協調的 / 社会的スキル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,協調的な批判的思考に対人関係スキル(社会的スキル)が及ぼす影響について解明することを目的とする。当該年度においては,討論場面における「他者との関わり」として,構成メンバーの違いに着目し,Web調査を実施した。調査では討論場面において,構成メンバーが仲間の場合,年長者の場合,他人の場合の3条件を設定し,討論時の批判的思考態度の傾向を探った。さらに,基礎スキル・対人スキル(コミュニケーションスキル)尺度を採用し,批判的思考態度と対人関係スキルとの関連性についても探った。 討論時の構成メンバーの違いが複数の批判的思考態度に影響を及ぼすことが明らかとなった。 構成メンバーが仲間の時,年長者や他人の時よりも意見を述べる傾向,議論を適切に方向づけようとする傾向が有意に強いことが示された。また,構成メンバーが仲間の時,年長者の時よりも対立する意見を客観的に理解しようと努める傾向が有意に強いことが示された。一方,場の雰囲気の悪化が心配だと思う傾向については,構成メンバーが年長者の時,仲間や他人の時よりも有意に強いことが示された。対人関係に着目して分析した結果,自分の意見を述べる,対立する意見を客観的に理解しようと努める,議論を適切に方向づけようとする,の各批判的思考態度について,対人関係スキルが高い者の方が低い者よりもより望ましい傾向であることが示された。 以上の結果より,「他者との関わり」や対人関係スキルと批判的思考態度の関連性の特徴を明らかとすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度に限定すれば,調査研究を実施し,一定の成果が挙げられたものの,研究期間中前半は新型コロナウィルス感染症の対応に伴う本研究に対するエフォートが大幅に減少し,当初の本研究計画を基準とした場合,遅れていた。この遅れを挽回するまでの研究に対するエフォートが増えなかった。以上のことより,総合的にやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果については,学会での発表,研究紀要への投稿等により公開する。前年度に実施した質問紙調査の結果を踏まえつつ,協調的な批判的思考の特徴をさらに探るための要素を採用した質問紙調査を実施する。それらの成果を踏まえて総括検討し,研究の取りまとめを行う予定である。
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Causes of Carryover |
本研究期間前半の新型コロナウィルス感染症の影響により,当初の予定から計画通りに研究を進めることができず,結果として,1年間の期間延長の申請を行った。次年度使用額は,これらの研究全般に関わる経費の支出とも関連して生じたものである。最終年度で当初の研究を計画的に実施・遂行していく。
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Research Products
(2 results)