2021 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブな家庭科授業の実践的指導力を育成する現職教師教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20K02858
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊藤 圭子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (50184651)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 家庭科授業 / インクルーシブ教育 / 実践的指導力 / 現職教師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ビア・チュータリングを適用したインクルーシブな家庭科授業に焦点をあて、特別な教育的支援を要する子どものみならず、その子どもと教師を架橋する子どもの学びも保障できる実践的指導力を家庭科教師に育成するための現職教師教育プログラムを開発することを目的とする。研究2年目となる本年度は、インクルーシブな授業実践の蓄積がある欧米諸国の現職教師教育の先進的取り組みを行っている研究者および行政機関を選定し、インタビュー調査と現職教師への研修の参観・記録を実施し、分析する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外渡航ができなかった。そのため、本年度は次の3点を実施した。一つ目は、文献研究によって、インクルーシブな家庭科授業に関する授業案を収集し、それを分析し、日本のインクルーシブな家庭科授業の課題を検討した。二つ目に、現職教員と協働して、ピア・チュータリングを適用したインクルーシブな家庭科の授業づくりを行い、小学校及び中学校で実践・分析した。小学校家庭科においては、質問紙調査によって児童の生活実態を把握した上で、栄養学習に関する授業づくりを行い、実践・分析をした。その結果は、論文としてまとめて投稿した。中学校家庭科においても質問紙調査によって生徒の実態を把握した上で、調理実習授業における授業を試案し、実践・分析をおこなった。その結果は、論文としてまとめて学会誌に投稿した。さらに、三つ目は中学校家庭科授業時における生徒間の会話やその折の生徒の思いを書いた記述内容を分析した。今後は、この結果を整理し、論文としてまとめていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は「研究実績の概要」に述べたように、インクルーシブな授業実践の蓄積がある欧米諸国の現職教師教育の先進的取り組みを行っている研究者および行政機関を選定し、インタビュー調査と現職教師への研修の参観・記録を実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大のため、実施できなかった。予定していた海外での先進的取り組みに関する情報収集ができなかったため、インクルーシブな授業の実践的指導力を育成する現職教師教育プログラムを開発する際の示唆を得ることが困難であった。そのため、計画通りには進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施予定であったインクルーシブな授業実践の蓄積がある欧米諸国の現職教師教育の先進的取り組みに関して情報収集するとともに、現職教師への研修の参観・記録およびインタビュー調査を実施する。そして、それらを分析し、インクルーシブな家庭科授業の実践的指導力を育成する現職教師教育プログラム試案を提案する予定である。研究に必要な資料等の収集に関しては、引き続き、図書館等の利用や学会出席を通じて、行っていきたい。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じたのは、新型コロナウイルス感染拡大のため、予定していた海外での先進的取り組みに関する情報収集および分析ができなかったためである。次年度は、本年度の計画に従って、インクルーシブな授業実践の蓄積がある欧米諸国の現職教師教育の先進的取り組みに関して情報収集するとともに、現職教師への研修の参観・記録およびインタビュー調査を実施する。そして、それらを分析し、インクルーシブな家庭科授業の実践的指導力を育成する現職教師教育プログラムを提案する予定である。
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