2022 Fiscal Year Research-status Report
インクルーシブな家庭科授業の実践的指導力を育成する現職教師教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20K02858
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
伊藤 圭子 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (50184651)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 家庭科 / インクルーシブ教育 / 現職教師教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、インクルーシブな家庭科授業を担当する家庭科教師の実践的指導力育成のための現職教育プログラムの枠組みを検討することを目的とし,それを遂行するため、主に次の3点を実施した。第一に、現職教師教育を実施する都道府県・市の教育センターで実施されているインクルーシブな家庭科授業に関する研修講座について、各教育センターのホームページに掲載されている研修講座について情報収集を行い、検討を行った。その結果、家庭科に関する研修講座、インクルーシブ(特別支援)に関する研修講座はそれぞれ開催されているが、家庭科教師がどのようにインクルーシブな家庭科授業を実施すればよいかについて実践的支援となる研修講座は認められなかった。つまり、配慮を要する子どもを包含する家庭科における授業方法・授業形態などをどうすればよいか悩んでいる家庭科教師にとって、目前の子どもへの支援方法についての提供を受けられる研修講座は認められなかった。第二に、ピア・チュータリング及び複式教育の授業方法を適用したインクルーシブな家庭科授業を栄養教育に関する内容、調理実習授業に関する内容において立案し、現職家庭科担当教員とともに検討し開発した。また、それらの授業を実践し、子ども間での協働学習の過程を分析し、論文として公表した。第三に、これらの研究成果を踏まえて、インクルーシブな家庭科授業を担当する家庭科教師の実践的指導力育成のための現職教育プログラムの枠組みを検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
協力家庭科担当教員が家庭科の専科教員から学級担任となり、協力が得られにくくなったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度にコロナ禍で実施できなかったが、インクルーシブな授業の実践的指導力を育成する現職教師教育の先進的取り組みを行っている諸外国の研究者および行政機関を選定し、インタビュー調査と現職教師への研修の参観・記録を実施する。その成果を基に、これまで試案したインクルーシブな家庭科授業を担当する家庭科教師の実践的指導力育成のための現職教育プログラムの枠組みを再度検討し修正する。
|
Causes of Carryover |
海外のインクルーシブな家庭科教員における現職教師教育の先進的取り組みにおける研修調査などがコロナ禍で実施できていなかったことが理由である。次年度は実施し、その成果を参考にして、現在試案しているインクルーシブな家庭科教員における現職教師教育の枠組みを修正する。
|