2022 Fiscal Year Annual Research Report
学校現場におけるアオガンピ栽培の自動化と教材化に関する研究
Project/Area Number |
20K02860
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
岡本 牧子 琉球大学, 教育学部, 准教授 (00432906)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アオガンピ / 生ゴミ処理機 / 液肥 / 中学校技術科 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、学校現場での琉球紙の原料調達を可能にするべく、その栽培を中学校技術科の生物育成分野と情報分野の学習教材として取り扱えるよう、アオガ ンピの自動栽培の方法やコスト、学習指導計画等を提案し、沖縄県独自の和紙製造技術を教材化することを目的とする.栽培の自動化を効率よく行うための液肥を学校から排出される生ゴミから生成することが可能となれば、持続可能な社会を考えるテーマの教材としても展開できる. 本年度も昨年度に引き続き、「生ゴミ処理機を利用した液肥の調査」を中心に、附属学校給食室から排出される野菜ゴミを使った液肥生成の調査を行った. 具体的には、電気伝導度が比較的高くなる傾向のある野菜ゴミから生成した分解水の成分分析を行った(肥料分析法).その結果、リンとカリウムについては極めて少量であったものの、アオガンピの育成に重要とされている窒素については1Lあたり100mgから150mg得られることが明らかとなり、市販の有機肥料と比較すると、生育初期に推奨されている使用量(約120mg)と同等の量が得られる事がわかった.これらの結果から、アオガンピ栽培の育苗期に本分解水を灌水使用すれば、アオガンピの成長を促すことが可能になり、中学校3年間の間にアオガンピを原料化できる可能性が高くなることが想定される.一方、本研究で使用している生ごみ処理機には微生物ハウスにプラスチックを利用しており、分解水内には多少のマイクロプラスチックが混入されていることが懸念される.生分解性プラスチックの利用も含め、本分解水の液肥としての利用を考慮した場合、土壌への影響も考慮しなくてはならないため、分解水内のマイクロプラスチック有無など更なる調査が必要である.得られた結果については、R5年度に開催される日本産業技術教育学会全国大会で発表を行う予定である.
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