2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K02870
|
Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
中原 朋生 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (30413511)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 正人 環太平洋大学, 次世代教育学部, 教授 (20722367)
藤田 依久子 環太平洋大学, 次世代教育学部, 准教授 (40571972)
中山 芳一 岡山大学, 全学教育・学生支援機構, 准教授 (40595469)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 公民教育 / 寛容性育成 / リスペクト / ダイバーシティ / 非認知能力 / メタ認知 / 個人の尊重 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度(1年目)は、公民教育の目標論として寛容性の概念整理を中原(教育関係法令)、小川(米国社会科)、中山(非認知能力)、藤田(社会心理学)の各視点から行った。具体的な役割分担は次の通りである。中原は憲法・教育基本法等の法令が要請する寛容性の内実の明確化を行った。小川は米国社会科における寛容性育成の先行研究と日本への示唆を検討した。中山は非認知能力としての寛容性の役割を検討した。藤田は社会心理学から見た寛容性のサブカテゴリ―の明確化した。 その結果、寛容性を構成する要素として、日本国憲法第13条「個人の尊重」を根拠とする尊重(リスペクト)、米国など先行する多文化社会が推進してきた多様性(ダイバーシティ)、自分自身の行動を客観的な位置から見つめるメタ認知、自己受容・他者受容のバランスなどの重要性が明らかになった。 これらの各要素は、寛容性を育成するための公民教育の目標に位置づくものである。また、従来の公民教育では議論されてこなかった要素である。これらの要素は認知能力、非認知能力、メタ認知能力を複合したものであり概念整理と構造化が必要である。次年度の課題として引き続き検討を続ける。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大によって、対面会議の中止が続いたため。その後、遠隔会議の導入などの対応を取ったが、当初計画より寛容性の概念整理が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、各分担者の知見を統合し教育目標となる市民的な寛容性の構造化(認知面・非認知面・メタ認知面)をめざす。さらに次年度は寛容性育成のための公民教育における教育方法論と通教科的な教育指針(柱)の明確化を進める。また具体的な単元開発として、在日外国人と共生をめざした寛容性育成のため教材開発を進める。
|
Causes of Carryover |
コロナ禍のため学会出張等の旅費の使用が出来なかったため。
|