2020 Fiscal Year Research-status Report
ガムラン音楽文化の視聴覚教材開発-身体技法の伝承と創作の学習を中心に
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20K02872
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
川口 明子 岩手大学, 教育学部, 教授 (50466512)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インドネシア / ガムラン / 音楽文化 / 視聴覚教材 / 身体技法 / 創作 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は新型コロナウィルスの影響で一部計画を変更したが、研究代表者:川口明子(岩手大学)と研究協力者:大田美郁(小田原短期大学)、大場陽子(岩手大学)、風間純子(日本音楽療法学会認定音楽療法士)、村上圭子(NPO法人日本ガムラン音楽振興会)が、オンライン会議等を重ねて以下の共同研究を実施した。 1.インドネシアのガムラン音楽文化に関する既存の視聴覚教材(ビデオ、DVD)の情報収集と各教材の分析を行い、解説や説明、映像の撮影の方法、字幕や数字譜等について、教材としての妥当性と問題点について明らかにした。特に、西洋音楽とは異なる記譜法を持つガムラン音楽を、西洋式の五線譜を用いて訳譜する場合の従来の課題(リズムの記譜のずれ等)について議論し、本研究においては現地のリズム構造を元とした記譜法を重視することとした。 2.ガムラン音楽文化に関する既存のインターネット上のWeb資料についても検索し、得られた教材例について、1と同様に分析した。特に、新型コロナ禍の影響で、現地のインドネシアにおいてもガムランの視聴覚教材が様々に工夫されて作成され、公開されている現状が明らかになったが、その反面、教材としての質や内容の精選等に課題も見られ、それらの改善を目指す必要が明らかとなった。 3.ガムラン音楽を元とした創作の教材開発のため、川口と大場が藤枝守作曲・監修のガムランを用いた新作のコンサート「ガムラン曼荼羅」(2020年11月19日 於:トーキョーコンサーツラボ)をリハーサルから見学し、ガムランを用いた創作作品について知見を広め、ガムラン特有の音素材や音楽構造を生かした創作の可能性について協議した。 4.上記の基礎研究を元に、ガムラン音楽文化のDVD教材の具体的な内容と新規撮影のプランを考案する研究体制を整えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス流行のため、インドネシアでの現地調査は断念し、また対面での研究会も延期したため、年度の前半ではあまり研究活動ができなかったが、秋以降には国内でできる情報収集とその分析に力を入れ、オンラインでの研究会等を行い、研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
インドネシアのガムラン音楽文化についてのDVD教材のコンテンツ案を作成し、具体的な新規撮影計画も練り上げる。またそのための、創作の試作や模擬授業等も行い、教材の質を検証する。 その上で、2021年度中に、ガムラン音楽の3地方様式の例(ジャワ、スンダ、バリ)の撮影と第1次映像編集を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスのため、予定していたインドネシアの海外調査や国内での中部ジャワ様式のガムラン体験学習のドキュメンテーション(撮影と仮編集)が実施できなったため、その分の予算は次年度へ繰り越すこととした。次年度は、繰越予算と本来の次年度の予算を合わせて、中部ジャワを含むガムランの3地方様式(中部ジャワ、スンダ、バリ)のDVD教材のための撮影・仮編集を行う予定である。
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Research Products
(3 results)