2022 Fiscal Year Research-status Report
自己学習力を育成する文字教育モデルの構築―学習者の文字学習方略を中心に―
Project/Area Number |
20K02883
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
長岡 由記 滋賀大学, 教育学系, 准教授 (90615915)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 国語科教育 / 文字教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、文字学習の系統性を踏まえた上で、文字の特質や機能に応じた方略と学習者のオリジナルの方略の両側面から文字学習方略について検討を行い、学習者の自己学習力を育成するための文字教育の在り方について検討することを目的としている。 令和4年度は、昨年度に引き続いて仮名文字・漢字・ローマ字の習得や学習指導、実践報告に関する文献や自己調整学習に関する文献の収集、検討を中心に行った。検討結果の一部を論考にまとめて、『国語科教育学懸鼓の成果と展望Ⅲ』(渓水社)に掲載した。本年度は、特にローマ字の学習指導について検討を進めた。昨年度、ローマ字教育に関する課題について文献調査により明らかにしたことを踏まえ、本年度は小学校教員(教員経験者を含む)を対象としたアンケート調査を行い、より詳細な課題について検討を行った。調査結果の一部を、第55回国語分科会国語課題小委員会において報告した。また、文字を読み書きする学習環境の変化に関する研究の一部として、手書きとタイピングについての論考を『教育科学国語教育』11月号(明治図書)に発表した。 本年度は、ローマ字教育の課題を整理することに重点を置いて検討を行った結果、国語科教育における文字教育の役割や他領域・他教科との繋がりについてより具体的に検討することができた。ただし、本年度も課題を整理することに時間を費やすことになり、学習方略や学習指導については十分な検討ができなかったため、今後は学習方略と学習指導法について検討を進めていきたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、昨年度から継続して行ってきた文献の収集・検討と、教員を対象としたアンケート調査に基づき、研究成果の一部を論考や発表資料や論考にまとめて公表することはできたが、当初の計画より遅れており、学習方略や学習指導法についての研究を十分に進めることができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
実施計画の2・3年目に予定していた文字学習の系統性と文字の特質や機能に応じた文字学習方略の検討と記述を引き続き行うとともに、学習者の文字方略についての調査研究も、状況を踏まえながら実施する方向で準備を進める。
|
Causes of Carryover |
(理由)学会や研究会への参加、文献調査のための旅費と物品費等を計上していたが、研究会や学会のオンライン開催に伴い旅費が予定より少なくなったこと、また文献調査についても図書館間相互貸借等により経費の削減ができたため。 (使用計画)繰越金は、文献購入や文献複写費用等の資料収集、調査に必要な物品購入のために使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)