2020 Fiscal Year Research-status Report
Society 5.0 時代の経済教育と日韓合同研究による授業単元・副教材開発
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20K02884
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
裴 光雄 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60263357)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Society 5.0 / 4次産業革命 / 韓国国会図書館 / 韓国経済教育学会 / 学会誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
まずは、日本のSociety 5.0 に関する経済産業省、経団連、内閣府の資料、そして文部科学省の見解を整理した。新型コロナウィルスの世界的規模の拡散によって、渡韓を通じた韓国の研究協力者との日韓共同研究に関しては、殆ど進めることはできなかったが、韓国語文献・資料収集とその翻訳に取り組んだ。韓国国会図書館のネット検索では、「4次産業革命」という語を入力すると、関連文献は、11件摘出される。このうち3本の論文はダウンロードが可能である。また、韓国経済教育学会のHPで論文検索を行うと1件の掲載があった。これらの文献の講読・翻訳を行った。 具体的には、ク・シソン「国内4次産業革命対応政策と示唆:ドイツのIndustry4.0との比較を中心に」『産銀調査月報=KDB monthly』第759号、2019年2月、pp.27-49、チャン・フン「欧州 INDUSTRY 4.0 成熟度指数評価モデルの開発:4次産業革命の時代を迎える韓国企業の準備状況は?」『科学技術政策』科学技術政策研究院、第27巻第6号(通巻第227号)、2017年6月、pp.10-13、ウィ・ムングン「ポストヒューマニズムを通じた産業4.0デザイン要素の再解釈= Reinterpretation of industry4.0 design elements by posthumanism」中央大学大学院 2019.8 TD745.2-19-142(博士論文)、キム・ボンユル他「4次産業革命時代の転換経済教育とメイカー運動」『経済教育研究』韓国経済教育学会、第26巻第1号、2019年4月、pp.65-89である。 科研費申請書提出後(一昨年2019年11月)に、韓国の全州教育大学での国際シンポジウムで発表した「日本における第4次産業革命時代の経済教育の課題」の研究の更なる精緻化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの世界的規模の拡散によって、韓国の研究協力者との日韓共同研究に関しては、殆ど進めることはできなかったためである。例年、毎年、日本の経済教育学会(JSEE)と韓国経済教育学会(KEEA)の学術大会等を利用して、その前後に日韓の共同研究会を開催し、共同研究を進展させてきた。だが、2020年度は私の渡韓および韓国の研究協力者の来日招聘が全面的にできず、また日韓の学術大会自体も中止に追い込まれた事も生じて、当初の計画よりも進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度2021年度は上半期、4月上旬から9月上旬まで5か月間、韓国のソウル教育大学でサバティカルの在外研究となるので、この期間中に精力的に研究を進展させる。ソウル教育大学附属図書館はもちろん、国会図書館、中央図書館などでダウンロードできない文献・資料を集中的に集める。新型コロナウィルス感染防止のため難しいであろうが、出来れば、韓国の中学校、高校での経済の授業を参観したいと考えている。やはり、実践を文献だけでなく、自分の眼で見ることが重要である。 加えて、韓国経済教育学会やソウル教育大学などが主催する研究会等に参加し、研究発表を行う。現地の韓国研究協力者からコメントをもらい、討論・議論を通じて、自己の研究を発展させる。 また、韓国教育庁、ソウル市教育庁、韓国教育開発院、韓国教育評価院などを訪問し、「4次産業革命時代の韓国教育」についてのヒアリング調査と資料収集を行う。 こうして、当初計画の下記の①と②を達成する ①日韓の経済教育研究者がSociety 5.0を定義し、私たちの暮らしをどのように変え、影響を与えているのか、変容する産業・経済社会の制度と仕組みを明らかにする。次に、②明らかにされたSociety 5.0時代の特徴的な産業・経済社会の制度と仕組みをどのように教えるのか、カリキュラム構成と副教材及び各単元授業案を開発・作成する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの世界的規模での感染拡散によって、渡韓し、研究資料・文献の収集ができなかった。また韓国の研究協力者の招聘しての国際共同研究が実施できなかった。当初、10年近く使用し古くなったデスクトップパソコンをこの科研費によって購入するつもりであった。だが、前年度末にそのための予算は本務校の別途研究費が付いたことにより、科研費での購入の必要がなくなり、海外出張、海外の研究協力者の国際共同研究のための招聘等に経費を費やす計画であったが、上記のように新型コロナウィルス事態のためできなかった。 このような理由から初年度は全面的に科研費の使用ができなかった。しかし、2年目である本年度はサバティカルによる韓国のソウル教育大学での在外研究を実施するため、そのための海外旅費等で前年度分も合わせて使用する。
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